教授挨拶

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循環器内科学教室 3つの理念

奈良県立医科大学第1内科学教室は、2018年1月1日を持って、循環器内科学教室と腎臓内科学教室に分離独立いたしました。第1内科という名称は本学昭和20年の創立以来70余年に渡り続いてまいりましたが、幕を引いた事になりました。OBの先生方の中には第1内科がなくなってしまった事に寂しい思いをされている方も多くおられると思いますが、これも奈良医大の内科学全体の大きな発展の一通過点としてご理解戴きたいと思います。

私が2002年(平成14年)に奈良医大に赴任して以来ずっと考えていたことは、内科学全体の充実でした。分野が専門分化して行く中で、どの様な形が内科学の発展に最適であるか?本当に難しい命題でした。2018年(平成30年)4月から内科専門医システムが変更される時、内科専攻医制度が導入され、卒後3年目から5年目までの内科医が全員、内科全体の研修が必須となる時期に奈良医大は内科各分野の専門科の充実を目指しますが、その第一歩として第1内科が循環器と腎臓に分かれる選択をいたしました。

私の考えでは、ターミナルホスピタルであり研修期間である大学付属病院では、広範囲な内科学にはすべの分野に専門家がきっちり配備され、県民のあらゆる内科疾患に適切に最高・最良の医療を提供でき、学生・研修医には専門教育を提供できる体制が必須と考えております。奈良県のように、一大学の出身者によりその県の医師が主に提供されている場合、大学での教育体制の凸凹がそのままその県の凸凹となります。奈良医大の内科はようやく臓器別内科構成の一歩を踏み出しました。

大事なことは、全ての内科が連携よく垣根を低くすることが最も重要であると思います。
循環器内科学教室の理念は、第1内科の時と全く変わらず、「求められる医師・医科学者の育成」「高度先進医療の開発とその臨床への応用」「中核医療と地域医療への貢献」の3つを大きな理念とし教室運営を引き続き行って行く所存です。

当循環器内科では「断らない」を合い言葉に、全てのスタッフが医療人としての「誇り」をもち、日常診療に携わっております。2017年(平成29年)では、循環器内科だけで、ここ数年は、年間1500例以上の症例が入院され、急性心筋梗塞約150例、心臓カテーテルインターベンション約500例、不整脈アブレーション約200例弱、ICDやCRT-Dを含む植え込み型デヴァイスが約100例、急性心不全と慢性非代償性心不全による入院約200例と活発な循環器内科です。本年4月からは待望のTAVIも開始される予定です。

このように循環器内科は、忙しい内科ではありますが、奈良県における循環器医療の中核機関としてまた地域医療を担う施設として確固たる地位を築くと同時に、卒前教育はもちろん卒後教育としての前期・後期研修を行う上で必須条件である「多彩な疾患と豊富な症例数」を確保しております。

研究にあっては「患者さんから学ぶ」を基本的姿勢と心得、臨床研究を中心に、臨床を常に意識した基礎研究も盛んであります。中でも虚血性心疾患に対する光干渉断層装置(OCT)を用いた研究においては、世界をまさにリードしており、心不全の登録研究や心腎連関の分子機序に関する研究でも大きな評価を得ております。(業績の項参照)。今後は、ビッグデータの解析にも注力していこうと考えております。

これらの研究に興味のある若い医学生・医師諸君!
我々と新しい医学の発展に貢献する喜びを共有いたしましょう。

循環器内科 部長 斎藤能彦