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■前期研修プログラム
当科の研修医指導システムの目標は、医師として単に専門技術を学ぶだけでなく、幅広い知識と豊かな人間性を持った医師の育成に努めることです。研修医が患者を担当する際は、受け持ち医となり、上級の主治医とともに2人以上で診療にあたります。毎週受け持ち症例をカンファレンスや教授回診に呈示することで、病態の解説や治療方針を指導医が直接教示します。また,病棟には3名の病棟担当指導医がおり,症例に関する疑問などに的確に対応できるように努めています。特に興味のある症例は臨床検討会で発表する機会を設け、活発な議論のもと疾患の病態をさらに深く掘り下げています。さらに人間性を深めるためにコメディカルとの親睦会には積極的に参加するゆとりの時間も設けています。 ![]() 当科での研修目標は、一般内科医としての基本的態度、知識、技能の修得です。特に、本年度から開始されたスーパーローテート制度のもと、将来内科を専攻しない研修医が最低限必要な内科的知識および手技が修得できるよう、週2回のレクチャーや指導医からの手技指導を実施しています。研修初期には、病棟システムを把握して諸検査の手順を修得するために、心臓カテーテル検査、腎生検検査は当然ながら胃カメラ検査、MRI検査など患者の検査にはすべて立ち会うことを原則としています。研修1年目の当科研修期間中には、当科専門疾患および当直医に必要な救急医療の知識、技能を修得します。特に、気管内挿管、中心静脈の確保、除細動器の使用など蘇生のABCに必要な手技には積極的に参加する機会を設けます。研修2年目には、当科で実施している心臓カテーテル検査および腎生検にも参加し、基本的技能をさらに深く習得できるようにします。また,興味深い症例に関しては、内科学会あるいは他の学会で積極的に症例報告を行います。また,認定内科医取得のために、十分で幅広い症例が経験できるように配慮しています。 ■後期研修プログラム
後期研修プログラム 01 第1内科における後期研修実施理念 前期研修中の皆さんは、日々さまざまな臨床経験を重ねておられることと思います。後期研修は、前期研修での臨床経験をふまえ、さらに深く臨床経験を積み重ねるとともに、専門医としての素養を培う大切な時期です。 「薬のさじ加減」という言葉があります。古来から名医とは、個々の症例に対する“さじ加減”を体得した医師と考えられてきました。一方、昨今は、大規模臨床研究によるEvidence-based medicine(EBM)に基づく医療が推奨されます。しかし、医療がマニュアルどおりに実践できるはずもなく、EBMに基づく標準的医療と古来からの“さじ加減”による個々の症例に対する医療という一件相反する考え方を皆さんはすでに実感されているのではないでしょうか。症例を多く経験するにつれ、現在知られている医学や大規模臨床試験の結果を適応できない症例に遭遇することは決してまれではありません。私たちは、症例ごとの差異を的確に判断しEBMに立脚しつつかつ個人に最適な医療を提供できる医師、つまり専門医に、皆様が成長されることを心から希望しております。真の意味における専門医になるためには、単に臨床の知識と技術を修得するだけでなく、個々の症例における疑問(原理やEvidenceに合致しない場合の疑問)を解決するための考え方や手法を修得することが大変重要になると考えられます。つまり、研究する心を修得することが極めて重要なのです。私たちの後期研修における最終目標は、このような研究心を皆さんに修得していただき、幅広い知識と科学的素養を兼ね備えた医師、つまり医科学者(Physician-Scientist)養成の足がかりを作ることです。 後期研修プログラム 02 第1内科後期研修の特徴 第1内科学教室は、循環器病・腎臓病・代謝疾患(糖尿病)を担当しております。つまり、第1内科の研修環境は生活習慣病とその合併症を統合的に学ぶうえで最適です。私たち、奈良医大第1内科学教室では、将来専門医として活躍することを目指す先生方に、臨床的技術の獲得だけでなく、Physician-Scientist(臨床医療に携わりつつ、基礎あるいは臨床研究を施行できる医師)として活躍するための最適の研修を提供することを使命と考え、後期臨床研修制度を立ち上げました。当科では、内科専門医、循環器専門医、腎臓専門医はもちろん、米国での臨床内科教育および循環器・腎臓基礎研究を経験したスタッフを中心に、世界に通用する内科専門医の養成を目指しています。 研修プログラムは、循環器コース、腎臓コース、総合コース(循環器・腎臓・代謝)を設定しておりますが、本人と相談し研修内容を決定したいと思います。 後期研修プログラム 03 各専門部門の特徴 循環器疾患部門: 循環器病は生活習慣の欧米化、高齢化に伴いその数は増加の一途をたどっております。かつて、循環器病は、心臓や血管に形態的あるいは機能的な異常が明らかになってからはじめて循環器病と捉えられ、生理学的検査や画像検査が主となって診断され、その病態生理が理解されてきました。しかし、現在では、循環器病研究にも分子生物学的、細胞生物学的手法が応用され、その発症・進展の分子機序がかなり明らかになってきました。第1内科では、ANPやBNPはじめ多くのホルモン・サイトカイン等の生理活性物質の病態への関与に興味を持ち、必然的に発症する循環器病の分子基盤を臨床的・基礎的に解明し、それを新しい循環器医療に応用することを目的としております。しかし、机上の研究や理論だけでは不十分であり、豊富な症例を対象にし、日 常診療を通して「患者さんから学ぶ」姿勢を原則としております。臨床の実際では、一昨年には最新鋭の心臓カテーテル検査機器、アブレーションに対応したマッピングシステムが導入され世界のどこにも負けないハードが完備されました。また、症例も以下に示しますように極めて豊富な症例に支えられ、カテーテルはじめ多くの技術習得にも可能です。 昨年一年間の第1内科病棟への入院症例は1225症例にのぼり、心筋梗塞等の救急疾患への対応は特に力を入れております。CCUへの緊急入院は昨年一年間に285症例でその内訳は急性心筋梗塞117例、不安定狭心症41例で、あり、さらには、劇症型心筋症などを含む重症心不全が76例CCUに入室しました。重症心不全例に対するPCPS8例、IABP52例と重症心不全の管理も十分に経験できます。また最近では、腎不全をベースにした慢性心不全症例も増加しており、CHDF、HDF、等の技術も習得できます。 また、昨年の心臓カテーテル検査は960例に達し、その中でPCIは355例、電気生理学的検査49件,カテーテルアブレーション70件,ペースメーカ埋め込み術61件となっています.さらに,心筋生検が56件に施行しております。その結果、当科は日本循環器病学会、日本心血管インターベンション学会の認定研修施設になっております。 腎疾患部門: 腎臓は、多彩な機能を持ち、多くの生命現象に深くかかわっています。腎臓内科は、腎臓を軸として、多くの疾患を経験することが可能な専門分野と考えられます。例えば、多くの膠原病は腎病変を合併しますので、腎臓内科医は膠原病に関する知見も修得する必要があります。また、糖尿病患者の多くが蛋白尿や腎不全を合併するため、糖尿病臨床に関する知識は日々の腎臓患者診療において欠くべからざるものとなっています。さらに、高血圧や電解質管理など日常臨床で遭遇する多くの現象に関して深く学ぶことが可能です。つまり、腎臓内科は内科を広く学びたい方に最適の専門科のひとつと考えられます。腎疾患部門では、急性腎不全や慢性腎不全はもとより、血液透析、腹膜透析、妊娠合併腎疾患、術後や重症心不全合併例の血液浄化療法など、腎臓専門医や透析専門医を取得するに十分な症例の経験が可能です。さらに、腎生検を積極的に行い、累積腎生検数は4000 例を超え、全国でも有数を誇っています。当科では、腎生検標本の評価を外部に委託せず、病理学的診断を当科独自に行っています。その結果、マンツーマンで腎病理を学ぶことが可能であり、また、診断・治療を迅速に行うことが可能です。 代謝疾患部門: 代謝疾患部門は主として糖尿病を担当しています。近年は、心疾患・腎疾患を問わず糖尿病合併例が急増しており、糖尿病合併症の予防と治療は内科医にとって重要な課題です。糖尿病は全身疾患ですから、合併症出現時には迅速な対応が必要です。当科では循環器、腎臓部門との協力で細小血管合併症および大血管合併症に対する治療を的確に行っており、多くの症例を経験することが可能です。また、当科は日本糖尿病学会認定施設であり、糖尿病研修指導医、専門医が個々の症例ごとに指導します。 後期研修プログラム 04 専門医取得 第1内科は、循環器病・腎臓病・高血圧症・糖尿病を担当しています。現在の国民病ともいえる生活習慣病の大部分をカバーする領域の疾患群を担当していることが特徴です。これらの分野に責任ある専門医を育成するために、当第1内科学教室は、日本内科学会、日本循環器病学会、日本腎臓学会、日本糖尿病学会、日本老年医学会、日本透析医学会、日本心血管インターベンション学会などの認定教育施設であり、循環器病専門医、腎臓病専門医、透析専門医、糖尿病専門医、老年病専門医などを取得することが可能です。 後期研修プログラム 05 研修医教育 後期研修における専門医養成のために、各分野の専門医が研修医指導にあたります。さらに、専門医取得のために症例経験に偏りのないように配慮します。また、下記のように研修医教育のためのカンファレンスも充実しています。
後期研修プログラム 06 研究活動 第1内科後期研修においては、専門医として技術の習得と共にphysician-scientist養成のための研究心の修得を後期研修の大きな目標としています。 1.高度先進医療の開発と実践 後期研修の最初から、以下の述べるような高度先進医療にも積極的に興味を持って頂き参加されることを奨励します。 虚血下肢および虚血性心疾患に対する細胞移植療法 京都府立医科大学との共同研究で,急性心筋梗塞患者およびインターベンション治療あるいは冠動脈バイパス手術を行なえないほど重症な慢性虚血性心疾患患者を対象として,倫理委員会の承認のもと,心臓に対する末梢血(骨髄)単核球移植治療を行っています.従来,心筋虚血によって失われた心筋を再生させることは不可能と考えられてきましたが,私たちの治療法を用いることによって,いったん失われた心機能を改善させることができる可能性が出てきました.同様の治療法は虚血下肢疾患(閉塞性動脈硬化症,バージャー病)患者に対しても実施しており,安定した成績が得られています. 2.豊富な症例に支えられた臨床研究の実践 後期研修の後半では、希望者には各自に臨床研究を担当して頂き、症例の抽出、臨床研究のプログラミング、医学統計、学会発表、論文作成とPhysician-Scientistとしての実際的な研修を指導します。 l 急性心筋梗塞・重症慢性虚血性心疾患に対する末梢血幹細胞移植 l 虚血下肢に対する末梢血幹細胞移植 l BNPを指標にした心不全治療指針の作成 l 急性冠症候群の治療に関する国際比較 l 厚労省班研究:難治性ネフローゼ症候群の治療指針作成 l 腎疾患における新しい予後判定因子の同定 その他,多くの多施設共同研究を主催あるいは参加しています. 3.国内外の大学間協力、病病連携、病診連携を中心にした大規模臨床研究の実践 ? ウ)JPAD研究(Japanese Primary prevention of Atherosclerosis with aspirin for Diabetes) この研究は、熊本大学循環器内科との共同研究で、2型糖尿病症例における心血管イベントにたいするアスピリンの一次予防効果の検討するものです。すでに2400例の登録し、おそらく本年にはアスピリンの一次予防効果が世界に先駆けて発信される予定である。この研究は厚生労働省科学研究費でサポートされています。私は奈良県は臨床研究を行うのに適当なサンプルサイズと考えております。 ? エ)AMI症例の登録システム 第1内科の関連病院全体では年間約400例の急性心筋梗塞の治療を行っています。これらの関連施設の症例をまとめるインターネットで管理するNara Cardiorenal Stationを立ち上げました。現在、アジアの他大学とも共同で同じ規格で症例を登録し、欧米人とはことなる遺伝的背景を持つ我々アジア人固有のエヴィデンスの構築を目指しています。 4.基礎研究の充実 後期研修の終了後、大学院に進学し基礎研究に参加され、より深く自然科学の深淵にふれて頂きたいと考えております。しかし、当科が臨床教室であることを考えると、研究のための研究ではなく、あくまで臨床応用を念頭に入れた研究を行っていく必要があると考えています。 現在では以下のような研究が進行中です。 ●心不全発症の分子機構の解明に立脚した新しい治療法の開発 ●サイトカインを利用した急性心筋梗塞に対する新規治療法の開発 ●急性心筋梗塞に於ける血栓形成機序の解明とそれを利用した新しい治療法の開発 ●腎臓線維化の分子機構の解明とその臨床への応用 ●ループス腎炎の発症機序の解明とその臨床への応用 ●糸球体硬化の進展機序の解明 後期研修プログラム 07 後期研修募集要項 以下の要領で後期研修を募集します。
必要に応じて面接を行う予定にしています。 奈良医大第1内科後期研修制度にご興味のある方は下記までお問い合わせください. 〒634-8522 奈良県橿原市四条町840 奈良県立医科大学第1内科学教室 Tel: 0744-22-3051 (ext 3411) FAX: 0744-22-9726 医局長 岩野正之 e-mail:ichinai@naramed-u.ac.jp 後期研修プログラム 08 第1内科学教室スタッフ
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