小児外科

はじめに

小児外科グループは小児特有の疾患に対して,手術のみならず術前術後を通して小児患者とご家族へ高度な医療を提供する専門家集団であります.専門領域は,脳外科疾患,心臓外科疾患,整形外科疾患をのぞく,小児消化器および呼吸器,小児一般外科であります.外科的治療は,必要でなければ回避したいと,誰もが考えられると思います.そのため,丁寧な説明をモットーに充分納得して頂き,治療を受けて頂いております.小児外科疾患,小児消化器疾患で,お悩みの際には,いつでもご相談下さい.

対象となる疾患

  • 頭頚部:耳前瘻孔,正中頚嚢胞,側頸瘻,梨状窩瘻孔,リンパ管腫,血管腫など
  • 胸部:食道閉鎖症,食道狭窄症,食道アカラシア,胃食道逆流症,食道異物,嚢胞性肺疾患,肺分画症,自然気胸など
  • 腹部:肥厚性幽門狭窄症,消化管穿孔,腸閉鎖症,腸回転異常症,壊死性腸炎,胎便性腹膜炎,腸重積症,メッケル憩室,重複腸管症,腸閉塞症,腸管ポリープ,急性虫垂炎,ヒルシュスプルング病,直腸肛門奇形(鎖肛),肛門周囲膿瘍,痔瘻,直腸脱,便秘症,胆道閉鎖症,胆道拡張症など
  • 臍,鼠径部:臍ヘルニア,臍ポリープ,臍肉芽腫,尿膜管遺残,鼠径ヘルニア
  • 腫瘍:神経芽腫,腎芽腫,肝腫瘍,奇形腫,横紋筋肉腫など

小児外科で対応させていただく疾患は多岐にわたります.
小児外科学会のホームページに詳しい疾患の説明がございます.

特色

新生児外科疾患,小児腫瘍,肝胆道疾患,消化管疾患,肛門疾患等に力を注いでいます.特定機能病院として高度な医療の提供を目指し,小児泌尿器科医,呼吸器外科医の協力の下に種々の治療に対応可能であります.

症例数・治療・成績

手術症例

年間の手術例数は100-120例です.新生児手術は年間10例程度です.

2015年から2017年 手術症例
  年間症例数 新生児 鼠径ヘルニア/臍ヘルニア 腹腔鏡手術
2015年 128例 10例 54例/6例 26例
2016年 103例 11例 34例/4例 29例
2017年(〜10月) 91例 6例 42例/6例 33例

新生児期外科疾患

  • 食道閉鎖,鎖肛,横隔膜ヘルニア,先天性腸閉鎖,臍帯ヘルニア,腹壁破裂等の新生児外科に取り組んでいます.新生児外科疾患はNICUで新生児専門医と協力のもと手術を施行しています.胎児疾患は慎重な周産期管理の上,産科,新生児科,小児外科で対応しています.
  • 気管切開術,先天性呼吸器疾患の治療も行っています.

乳幼児期以降の小児外科疾患

  • 胆道閉鎖症や胆道拡張症の診断と外科治療を行い良好な成績を得ています.
  • ヒルシュスプルング病の根治手術は低侵襲な腹腔鏡下手術や経肛門手術で行っています.
  • 鼠径ヘルニア等の手術も多数行い,常時予約可能です.幼児以上は日帰り手術の対応も可能であります.
  • その他,便秘症や胃食道逆流症,種々の消化管疾患にも対応可能であります.
  • 重症心身障がい児の方々の胃瘻造設,気管切開,喉頭分離術,噴門形成術にも対応しております.
  • 小児ストーマケアや管理についても対応可能です.
  • 小児外科救急疾患には常時対応できるよう体制を整えています.

小児固形腫瘍

  • 神経芽腫,肝芽腫,腎芽腫等を中心とした小児固形腫瘍の外科的治療を行っています.大量化学療法や造血幹細胞移植も小児腫瘍グループと協力して施行可能です.

腹腔鏡手術

  • 腹腔鏡手術は,噴門形成術(逆流防止術),鼠径ヘルニア,虫垂切除術で行っており,種々の鏡視下手術にも取り組んでいます.

特殊検査

  • 特殊検査として,消化管造影,超音波検査,24時間食道pHモニター検査,直腸肛門内圧機能検査,直腸粘膜生検も行い治療法の選択に応用しています.

手術件数

手術実績についてはこちらをご覧ください.

外来診療

専門外来は月曜日,水曜日(午後)です.担当は金廣裕道,洲尾昌伍,澤井利夫です.予約や紹介による受診も月曜日,水曜日(午後)です.緊急時は,常時対応致します.