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学生・研修医の皆様へ

当科のホームページを訪れて頂きありがとうございます。現在、多くの大学では細分化が進み各専門分野単位の教室となっています。当科は今では少なくなったナンバー内科 (第3内科)であり、消化管、肝胆膵、内分泌、糖尿病を含めた代謝疾患と幅広い領域を対象として診療を行っています。研修医にとって、当科のようにいくつもの専門領域にまたがる教室は、GeneralistかつSpecialistを目指すためには大きなアドバンテージを有していると考えています。教室の第1の目標は十分な医学的知識・技量と真の「癒しの心」を持って患者さんに信頼される医療を行うことにあります。癒すのは「病」ではなく、「病に苦しむ人」であることを十分に理解した人間性に優れた医師を養成することを目標としています。患者さんに最高の医療を提供するために、外科、放射線科など関係科との定期カンファレンスをいくつも行っており、1人1人の患者さんに対する最適な治療を診療科の枠を越えて考えるようにしています。

当科は附属病院において、年間40,000人の外来患者さんを診療し、1,300人以上の新しい入院患者さんを奈良県はもとより他府県からも多数受け入れています。奈良県における中核病院としての役割を果たすとともに、地域医療にできるだけ貢献することを目標としています。急性期消化器疾患に対しても奈良県腹部救急ネットワークを介して全例受け入れることを基本的方針としており、多くの大学病院と異なり、ほぼ毎日緊急内視鏡検査をはじめとした救急患者の診察を行っています。

大学では市中病院に比べてきめ細やかな研修が受けられないのではないか、と心配する学生がいますが、決してそのような事はありません。当科では研修医を含む全医局員を3つの臨床グループに任意に分け、各グループで症例検討会を毎週行っています。1例ずつ時間をかけて問題点を検討し治療方針を討議しており、研修医に一例ずつ問題点を列記してもらい、グループ内の他の指導医の意見なども採り入れつつ、診断・治療方針の組み立て方について詳細な指導を行っています。三つ子の魂百まで、ではないですが、内科医にとって初期研修の段階において論理的思考力を養成することはとても大切であると考えています。経験症例数を金科玉条の如く考える傾向がありますが、単に症例をこなすのではなく、臨床診断に当たっては、しっかりとした病歴の聴取と身体所見の把握が重要であり、得られた情報から何を考え、どのように鑑別診断を行い、対処するかという基本姿勢を学べるように指導しています。前期研修医に対しては、消化器・内分泌代謝領域で頻度の高い疾患や処置を実際に経験することを通じて、これらの領域に対する一般的なマネージメントの習得と、より高度な専門的医療が必要とされる症例に遭遇した場合、専門医へ適切なコンサルトができるように指導しています。後期研修医には特定の領域に偏らないより多くの症例を経験させると共に、専門医として要求される多岐にわたる手技を習得できるように指導しています。研修医には一つ一つの症例を丁寧に診て、疾患の本質を究めていく体験を通して興味を深めるとともに、責任をもって難治性疾患患者を最後まで診る厳しさを体験してもらいたいと考えています。このようにして、一般内科医としての知識、技術に加え、それぞれの分野において高い専門性をもった診療レベルが身につくように指導しています。

新・内科専門医制度はこれまでに比べて大きく変わることが決まっています。この新制度にもいち早く対応しており、新・内科専門医資格を円滑に取得してもらうために、関係する学内の内科学講座などと密接に連携して、効率的でかつ柔軟なプログラムを工夫しています。

消化器内科は内視鏡をはじめ多くの技術を学ぶことが出来ます。一般診療において消化器疾患の占める割合は非常に多く、消化器に関する技術は多くの一般病院で必要とされているものです。言い換えれば、それぞれが高い専門性を有しているにも関わらず、ほとんどの病院で長い間にわたって習得した技術を生かせるという強みがあります。仕事の質は生活の質にもつながります。専門的医療が高度化し、大学や基幹病院で頑張って技術を習得しても一般病院では機器の問題などで行うことが難しいケースが少なくない中で、やりがいのある仕事を長く行えることは医師生活の質を考える上で非常に重要であると考えます。

しかし、技術のみに強くこだわることは医師として決して良いことではないと思います。最近は専門医指向が極めて強い傾向にあり、学位に対し興味を示さない研修医が増えていると言われています。個人的にはこの傾向はあまり好ましくないと考えています。一人前の臨床医になればなるほど、現実の臨床での限界に直面することになります。この壁を越えてこそ、真の臨床医になれるのではないでしょうか?多くの医師は医学部卒業後、平均して約40年さまざまな分野で働くこととなります。医師としての人生を40年間のスパンで考えた場合、最終的に優れた臨床医になるためにはしっかりとした指導のもと科学的思考を身につける必要があると考えています。確かな科学的思考を身につけるためには、適切な指導者のもと、一定の期間研究を行うことが必要です。我々は臨床医である以上、研究のための研究ではなく、全ての研究は患者さんに還元することを目標にしています。基礎研究については、肝疾患を中心として疾病の本態を理解し、それに立脚した新しい診断法・治療法を開発するという近い将来直接的に臨床へ還元できる研究と、目先の成果にとらわれず、比較的長いスパンで将来を見据える地道な研究をバランスよく組み合わせていくことが重要であると考えています。基礎研究に加えて、患者さんのデータを整理して将来の治療に結びつける臨床研究も非常に重要であり、あらゆる分野における臨床研究を当科は積極的に行っています。臨床研究は、基礎的研究により得られた成果を臨床へと展開していくトランスレーショナルリサーチと共に、患者さんから得られた情報をもとにして将来の治療に結びつけ、さらなる治療効果の向上を目指していくことを目標にして多くの臨床研究を行っています。

新臨床研修制度導入後、大学で研修する医師が減少していますが、大学には指導スタッフが充実し、また研究体制も整っており、ここでしか学べないこと、経験できないことが数多くあります。当科のスタッフは「人を育てることが何よりも大切である」という考えのもと、若いドクターを指導しています。一人ひとりが充実感を持って仕事ができるように、相手の立場を尊重しながら、one for all, all for one の気持ちで教室員は日々診療や研究に携わっています。教室の姿勢に共感していただけるできるだけ多くの方々に内科学第三講座に加わっていただきたいと思いますのでお気軽にメールなどでご相談下さい。なお、当科の日常についてホームページに Facebookページをリンクさせています。登録不要ですので一度訪れてみてください。