患者様へ

手術麻酔

旧手術室(A棟)11室に加え、平成15年末に完成された新手術室(C棟)の3室の計14室の手術室からなり、心臓血管外科、呼吸器外科、脳神経外科、小児外科、消化器外科、産婦人科、泌尿器科、耳鼻科、形成外科、救急科などの手術の全身及び伝達麻酔による全身管理を担当している。

平成20年度の総手術症例数は5836例で、麻酔科管理症例数は4059例であった。
毎朝8時15分からのモーニングカンファランスにおいて患者情報の報告と麻酔計画の検討がなされた後、手術室麻酔科責任者と各室の麻酔科担当医にて麻酔管理を施行している。

3ヶ月のスーパーローテーター研修を受け入れ、基本的手技や全身管理法についての教育をマンツーマンで行っている。
6ヶ月以上の麻酔科研修を選択した研修生に対しては、麻酔指導医の監視下にて麻酔管理の習得を目指している。
救急救命士による挿管実習も積極的に受け入れている。

平成16年度からは心電図、血圧計、体温計、パルスオキシメーター、呼気炭酸ガス分圧、呼気麻酔ガス濃度測定に加え、全室、脳波より麻酔深度を予測するbispectral index(BIS)モニターが完備された。
これにより、吸入ガス麻酔を用いたバランス麻酔に加え、コンピューターで血中及び効果器部位の濃度を予測するtarget-controlled infusion (TCI)システムを用いた静脈麻酔なども積極的に施行している。
Philips社製SONOS7500のマルチプレーン経食道心エコー(Transesophageal echocardiography;TEE)も2台購入され、 心臓血管手術を中心に術中の循環管理に使用している。
日本心臓血管麻酔学会認定の経食道エコー認定医(JB-POT)の取得のための勉強会なども積極的に行っている。
術中の神経機能をモニターする誘発電位測定のための日本光電社製ニューロパックも2台を設置し、運動誘発電位(motor evoked potentials;MEPs)を用いた運動機能モニタリングなども積極的に施行している。

胸腹部大動脈瘤手術や脊髄脊椎手術の際に、麻酔科を中心に神経モニタリングを施行しており、その依頼数も年々増加の一途にある。近年、増加傾向にある周術期肺塞栓症に対しても、肺塞栓症予防プロトコールを作成し、そのリスクスコアに応じて、弾性ストッキング、術中間欠的空気圧迫法、ヘパリン療法、下大静脈フィルターの留置などを施行している。

平成17年4月より麻酔記録の電子化を施行し、麻酔記録用紙を廃止した。
現在は麻酔科医の傍らにあるコンピューター1台で麻酔記録と電子カルテによる患者情報の取得が可能となっている。
また、薬剤管理については平成19年より薬剤師の常駐が開始され、在庫管理のみならず手術室での薬品払い出し業務なども積極的におこなっている。手術室の各部屋にはリテラというコンピューター制御された薬品管理システムが導入され、その情報が薬剤室にオンラインで流れる仕組みになっている。
術後鎮痛に対しては、硬膜外や静脈内に麻薬鎮痛薬などを持続的に投与する鎮痛法を施行している。
また、患者さんが痛いと感じたときに自分で投与ボタンを押すことができpatient-controlled analgesia (PCA)システムも導入し、Acute pain service (APS)チームが毎日、術後疼痛管理にあたっている。
麻酔前後の患者管理については周術期の病棟への麻酔担当医の訪問に加え、麻酔専門医又は指導医による麻酔科術前術後外来を設置し、麻酔の内容やリスクの説明、informed consent、術後合併症のチェック、麻酔満足度の検討によるフィードバックなどを積極的に行っている。