学長ごあいさつ

公立大学法人 奈良県立医科大学 学長  細井 裕司

学長 細井 裕司

男女平等の達成レベルを経済、政治、健康、教育の4分野から評価した世界経済フォーラム「国際男女格差レポート2013」において、日本は136カ国中105位でした。上位三カ国はアイスランド、フィンランド、ノルウェーの北欧諸国、おもなところではフィリピン5位、ドイツ14位、アメリカ23位、モンゴル33位、シンガポール58位、タイ65位、中国69位、インド101位と続き、日本より下にランクインした国としてはアラブ首長国連邦、韓国、トルコ、エチオピア、サウジアラビア、イラン、シリアなどがあります。女性の活躍において、日本は世界の中でもアジアの中でも後進国と言わざるを得ません。男女を問わない活躍が求められているにもかかわらず、現在の労働慣行や社会保障制度は整っていないのが現状です。

本学では、平成23年2月に当センターを設立し、この問題に取り組んで参りました。幸いなことに、平成23年〜25年度の文部科学省の事業として採択され、助成金を得て活動を行っています。

これまでに、出産・育児休業、各種休暇、超過勤務の制限等の既存の制度はもとより、仕事と子育ての両立に向けた意識の啓発や固定的な性別役割分担意識の解消のための広報・啓発活動を行い、快適な職場環境づくりに努めて参りました。また、子育てや家族の介護に関連した個別事情、勤務環境上の悩み等を気軽に相談できる窓口も開設しています。本学教員のマネージャーが、臨床や基礎医学分野の教員であるコーディネーターと協力してセンター運営を行っています。

奈良県立医科大学では今後も、「女性が働きやすい、働きがいのある職場」は「男性にとっても働きやすく、働きがいのある職場」であるとの基本的な考えのもと、制度や環境の整備に取り組んで参ります。みなさまのご理解とご協力をお願い申し上げます。


センター長ごあいさつ

公立大学法人 奈良県立医科大学 医学部長  嶋 緑倫

令和2年度より、車谷前医学部長の後任として奈良県立医科大学女性研究者・医師支援センターのセンター長を拝命いたしました。今、少子高齢化を背景に医師のマンパワー不足や地域格差などが問題となっています。さらに、働き方改革の波が医療界にも押し寄せています。このような状況の中で女性医師や研究者が活躍できる環境を提供することは必須です。そのためには支援体制の充実はもちろんですが、多様なキャリアに対する医療従事者全体の理解も大切な課題です。奈良県立医科大学女性研究者・医師支援センターは平成23年度に設立され、平成23〜25年度の文部科学省の事業として採択されたことも契機となり、「優れた女性研究者の育成を図り、もって本学の研究・教育活動を一層活性化させる」ことを目的に様々な活動を行っています。

相談事業では、ライフイベントと就労の両立や様々な悩みに関する相談を行っています。また、研究支援員の配置、女性研究者学術研究奨励賞選考、科研費申請推進事業により研究の活性化に努めています。その他にも医学教育に関する研究、ワークライフバランスや女性の活躍参画状況などの調査研究の結果をHP等、様々なツールで発信しています。研修や講演会などで啓発や広報活動も実施しています。キャリア教育や男女共同参画の理解を深める教育なども教育開発センターと連携して実施しています。

今、医学界でも全国的に男女共同参画推進事業が推進されています。本学における令和元年度の調査では、医学科女性教員の割合は19.4%、講師や助教の割合も20%を超え、年々、女性教員や研究者の割合が増加しており、全国平均から見ると決して低くはありません(まほろばだよりvol.30)。臨床系女性教員数も増加しており、第2期中期目標・中期計画(平成25年〜30年度)の最終目標(35人)を大きく上回り47人に達しています。ただ、全国平均からみると臨床系助教の比率は17.5%と低い状況です。女性の教官や指導者も増やせるように、早期から医師や研究者としてのキャリアアップを醸成し、卒業後もつなげていけるようシームレスな支援活動は益々重要と考えます。また、‘diversity’を理解して男女共同参画を啓蒙していくことも重要な課題です。このためにも本センターの役割は大きく、これからも皆様からのご意見をお伺いしながら積極的に活動を続けていきます。

最後になりましたが、本センターの活動に引き続きご支援・ご協力を賜りますよう皆様にお願い申し上げます。


マネージャーごあいさつ

公立大学法人 奈良県立医科大学 女性研究者・医師支援センター 須ア 康恵

女性研究者支援は、より多くの女性医師・看護師・研究者が、臨床,教育,研究分野で指導的な役割をはたし、多様な社会貢献を可能とするための支援であると信じています。

先輩女性の努力の恩恵を受けている私達が、様々な分野でキャリア向上し、後輩女性のロールモデルとなる、その積み重ねが世界を日本をこのまほろばの地をより豊かにすると確信します。

奈良県立医科大学で学び働く喜びを活力に、現在からしか到達できない未来へ向かって、足もとをしっかりと固め大きな跳躍をとげたいと思います。

多くの女性の笑顔に出会えることを楽しみにしています。よろしくお願いします。

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