センター長ごあいさつ

公立大学法人 奈良県立医科大学 医学部長  喜多 英二

この度本学にも「女性研究者支援センター」(まほろば)が開設される運びとなりましたことは、医学部長としてこの上もない喜びであります。医学部長が本センター長を兼務することから、一言ご挨拶申し述べます。

国内では平成11年に、「男女共同参画基本法」が制定され、働く女性のための環境整備は、少しずつではあるが進展してまいりました。しかし、2006年に世界経済フォーラムが発表した世界各国の「男女格差報告」(Global Gender Gap Report) では、日本女性が責任ある地位・職種に就いている割合や、国政への参加率が依然として低いことが報告されています。

大学教員や研究機関を含めた自然科学系全体において、この傾向は顕著であり、研究者に占める女性割合は13%(平成21 年)と他の先進国に比べて依然として低い数字であります。これには、女子学生の理工系分野への進学率が低いこと、大学、企業、公的研究機関等における「性別役割分担意識」が依然として根強く意識改革が不十分であったこと等、種々の要因が挙げられております。「男女共同参画基本法」が制定されても、現実は研究と育児・介護等との両立支援環境が不十分であり、自然科学系分野(医療現場も含めて)での日々の長時間研究活動・勤務が女性への大きな障壁となっております。働く女性の出産・子育てを応援する充実した支援制度が、国の施策としてさらに充実されることが求められております。

一方で家庭を含めた社会全体において、男性・女性は共に生物学的特性から、それぞれに固有の役割が求められることも事実であります。互いの特性をお互いに支え合う精神こそが、働く女性のための環境整備の基本であり、その精神土台があってこそ、国や職場での支援施策が有効に機能するものだと思われます。男性のみならず働く女性自身にも、意識改革が必要なことを認識しなければなりません。

本センターは女性研究者支援を包括的に実施するための学内拠点となり、少しでも多くの優れた女性研究者を輩出する環境基盤になることを目的としております。本学における教育・研究の場、また医療現場などにおいて、女性のself-empowermentの道を開き、女性のキャリア形成を促進する原動力として、今後大いに活用され有効に機能することを期待しております。

本センターが真に「まほろば」となるために、本学教職員のご理解とご支援を心からお願い申し上げ、私の御挨拶とします。

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