造血幹細胞移植


1. 同種骨髄移植(allogeneic bone marrow transplantation : alloBMT)
HLAの一致したドナーの骨髄液中の造血幹細胞を輸注することにより患者の骨髄再構築を
はかる治療法。        
骨髄移植に関する詳しいことは、骨髄移植推進財団ホームページを御覧ください。
奈良県在住の方で骨髄バンクへドナー登録される方はこちらも御覧ください。

2. 自家骨髄移植(autologous bone marrow transplantation : autoBMT)
 超大量の抗癌剤や放射線照射によって悪性細胞を根絶させた後に、骨髄液を採取し、凍結保存しておいた患者本人の骨髄液を輸注し、骨髄再構築をはかる治療法。


3. 自家末梢血幹細胞移植
(autologous peripheral blood stem cell transplantation : autoPBSCT)
 通常、造血幹細胞は末梢血中には認められませんが、化学療法を施行後に白血球や血小板が最低値から回復する造血回復期や、顆粒球造血因子 (granulocyte colonystimurating factor : GCSF)などのサイトカインを使用した際には、通常の50〜100倍もの造血幹細胞が骨髄から末梢血に動員されてきます。自家末梢血幹細胞移植は、この末梢血に動員された造血幹細胞を、血液成分分離装置を用いて単核球分画として採取し、超低温で凍結保存しておき、腫瘍細胞を根絶させる超大量化学療法や放射線療法施行後の骨髄救済に用いて、骨髄再構築をはかる治療法。

末梢血幹細胞採取
採血 効率の良い採取は、良い血管ルートをいかに確保できるかにかかっています。血管ルートは採血・返血の2本のルートが必要で、しかも成人の場合は肘関節の皮静脈に18G以上の留置針を挿入する必要があります。
血液成分分離装置 COBESpectra (Gambro) COBESpectra photo
処理量 原則として150mL/kg以上
処理時間 平均約200分
凍結・保存 簡易凍結法(牧野法) COBESpectra


4. 同種末梢血幹細胞移植(allogenic peripheral blood stem cell transplantation : alloPBSCT)
 HLAの一致したドナーにGCSFを投与し、末梢血に動員された造血幹細胞を血液成分分離装置を用いて単核球分画として採取し、腫瘍細胞を根絶させる超大量化学療法や放射線療法施行後の骨髄救済に用い、骨髄再構築をはかる治療法。


5. 臍帯血細胞移植(cord blood stem cell transplantation : CBSCT)
 臍帯および胎盤中の血液を採取、凍結保存し、HLAの一致した患者に移植する同種移植の新しい治療法。
歴史は非常に浅く1988年フランスで5才の男児に妹の臍帯血を用いて移植を行い成功したのが初めで、その後、少数ずつではあるが症例が積み重ねられ、近年ではその施行数は飛躍的に増加している。一方、我が国においては1994年に最初の臍帯血幹細胞移植が兄弟間で行われた。
採 取 重篤な感染症を持たない満期産の正常妊婦に対して、保存ならびに移植に使用することに対する十分なインフォームド・コンセントを出産前に行い、同意が得られた場合のみ産科医師が臍帯血を採取する。
奈良医大における採取・処理・保存の実際
 当院では、現在、同胞間臍帯血幹細胞移植のための臍帯血採取のみを行っています。採取は、胎児の娩出後に産科医師により臍帯を結紮し、胎盤娩出前にCPD(抗凝固剤)が入った採血バックに臍帯静脈からできるだけ多く採血します。
採取された臍帯血は輸血部にてHESを用いて赤血球除去を行い、臍帯血幹細胞を分離する。その後、−80℃で簡易凍結し、その後、液体窒素中で保存しています。

臍帯血バンクに関する詳しいことは日本臍帯血バンクネットワークを御覧ください。