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奈良県立医科大学附属病院では1970年12月14日に末期腎不全患者さんに対して病棟2床で血液透析を開始しました。
その後、透析患者さんの増加により1981年10月に透析ベッド8床となり、さらに2003年12月13日には透析ベッド11床、チェア3床の中央部門透析部となりました。開設当時は手作りの透析機器で、治療できる患者数も限られていましたが、医療機器の開発ならびに医学の発達により血液透析療法は安全で一般的な治療法となってきています。最近では慢性腎不全以外の疾患においても血液浄化療法が用いられ、治療範囲が拡大し、また腎移植も手掛けています。
担当医は日本透析医学会の専門医、指導医を有しており、認定施設でもあります。
奈良県立医科大学附属病院は奈良県における多数の透析施設のセンター的役割を担っております。末期腎不全の患者さんの透析導入を行うとともに、奈良県で3,600人以上の維持透析患者さんが合併症で入院された時は担当科とともに透析管理をしております。緊急性のある急性腎不全や術前・術後の急性多臓器不全などに対しても臨床工学技士を含めたスタッフとともに24時間体制で対処しています。一方、奈良県の医療施設より血液透析を含めた種々の血液浄化療法に関する治療相談や腎移植の相談も受け付けており、外来相談は木、金です。
慢性腎不全に対する透析療法だけでなく、膠原病や自己免疫疾患あるいは重篤な肝臓病などに対する血漿交換、免疫吸着療法、DFPPなどの高度な体外循環療法を行い、新しい治療法として出血性潰瘍性大腸炎やクローン病に対する特殊な吸着膜を用いた白血球除去療法など、多数行っております。また、血液透析に欠かせないシャントトラブルに関しても迅速に入院手術で対応しております。さらに、当院透析部は、腎移植にも積極的に関わっています。最近増加してきた血液型の異なる腎移植において、拒絶反応を防ぐために血漿交換などを行っています。
当院透析部の業務として、末期腎不全あるいはその合併症に対する血液透析療法、種々の病態に対する特殊な血液浄化療法、シャントトラブルならびに腎移植に対応しております。適応となる症例がありましたら、適応疾患担当科あるいは当院透析部へ直接ご相談ください。迅速に対応させていただきます。