奈良県立医科大学_開学80周年及び畝傍山キャンパスオープン記念
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大学の組織HPhttps://nara-obgyn.com/受精や顕微授精はもとより内視鏡手術との併用やがん生殖医療など、最先端の生殖補助医療技術を提供しています。また、生殖医療の大学病院への導入は、産科診療、婦人科診療にもバリエーションをもたらすことになり、より全人的な診療が可能となってきました。 2020年3月に小林浩現名誉教授がご退官されましたが、在職中は、総合周産期母子医療センター、メディカルバースセンターの設立にご尽力されるとともに、婦人科腫瘍の治療にも力を注がれ腹腔鏡手術、ロボット手術を導入されました。さらに子宮内膜症の癌化に関する基礎研究に注力されました。今では日常的に使用される腫瘍マーカーであるTFPI2の開発にも携われています。2019年には、第34回日本生殖免疫学会総会・学術集会を第14回国際生殖免疫学会と併会で開催されました。2021年9月に第9代産婦人科学講座教授とし木村文則が着任しました。産科領域、生殖医療領域の研究についても開始し、産婦人科全領域の研究を行えるような体制となってきています。HPhttps://naraidai-oph.com/専攻医の育成との両立に努めている。また、緊急性の高い眼科疾患にも迅速に対応できる体制を整えており、地域の中核医療機関として重要な役割を果たしている。令和7年4月からは加瀬諭新教授が着任し、眼腫瘍専門外来を新規開設する予定である。これまで奈良県内で行えなかった眼腫瘍の診療・手術を行うことが可能になり、さらなる診療レベルの向上に寄与すると確信している。 現在は大学院生が5名在学しており、それぞれ緑内障と血流、糖尿病網膜症、黄斑円孔、未熟児網膜症などの研究を精力的に行っており、新しく眼腫瘍分野の研究も行えることを医局員一同が心待ちにしている。以上のように、当教室は研究と教育の向上に努めることで、地域医療と国際社会に大きく貢献してきた。これまで築かれた基盤をもとに、同窓会の先生方・地域の眼科医の先生方のご協力を得ながら、令和7年4月から新体制のもと、未来に向けて進化を続ける所存である。37医局員集合写真教室員集合写真 奈良県立医科大学産婦人科は、時代の要請に応えられるように発展しております。 2008年に地域の周産期医療を支えるため、総合周産期母子医療センターの指定を受けました。本センターでは、ハイリスク妊娠や新生児の集中治療を専門とするNICU(新生児集中治療室)を完備し、母体・胎児集中治療管理を行っています。2016年には、女性や小児のための病棟であるE病棟が開設され、5階に産科病棟、6階に婦人科病棟とメディカルバースセンターが配されています。このメディカルバースセンターは、近年、自然分□や母子の関係性を重視した出産を希望する妊婦が増えていることを受け設立されました。また、2019年から猛威を振るったCOVIT19のため、メディカルバースセンターでの分□は休止しましたが、その構造を生かしてCOVIT19の対策に大きな役割を担いました。2024年には、不妊治療の需要増加に対応するため、高度生殖医療センターを設立しました。本センターでは、体外 平成22年9月より緒方奈保子先生が主任教授に就任された。緒方先生は、網膜硝子体疾患が専門であり、その見識や手術技術を広く後輩医師に伝えられた。また、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性など網膜に関する基礎、疫学研究を進めるとともにコホート研究(藤原京スタディ、平城京スタディ)に参加し、視力と認知症、白内障と生体リズムなど眼が全身に及ぼす影響を明らかにし、目の重要性を国内外に示すなど、大きな業績を残された。令和5年7月に第39回日本眼循環学会を主催し、700名を超える参加者を迎えて盛会裏に終えた後、令和6年3月をもって教授職を退任された。現在も本学名誉教授として関わっていただいてる一方、関西医科大学香里病院の理事長特任教授として後進の育成、眼科医療の発展に努められている。 現在の医局は、准教授1名、講師2名、助教4名、専攻医8名で診療にあたっている。白内障手術や硝子体手術など、最新の手術手技や機器を取り入れ、手術時間の短縮や手術件数の増加を目指しながら、医学科:臨床医学教育 産婦人科学教授/木村 文則医学科:臨床医学教育 眼科学教授/加瀨 諭

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