奈良県立医科大学_開学80周年及び畝傍山キャンパスオープン記念
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附属病院の組織HPhttps://cancer.naramed-u.ac.jp/cancer-consultation/発揮して相談対応ができる体制となりました。また、令和6年度より正式にセンター化され院内の中央部門として位置づけられました。 がん相談支援センターでは個別の相談対応の他に、がんサロンの運営という重要な役割も担っております。開設時から当事者の方々とがん相談員がともに一歩ずつ試行錯誤の中で作り上げてきたがんサロンは、コロナ禍により一時休止した時期がありましたが、現在も患者さんやご家族同士が交流し、語り合い、支え合えるかけがえのない場となっています。 また、平成27年からは「がんの療養と仕事の両立支援」が国の第2期がん対策推進基本計画で掲げられたことを受け、ハローワークや県内の社会労務士の方々とも協働し、就労相談にも力を入れております。 今後さらにがん療養中の患者さんやご家族への情報支援、不安や悩みへの相談対応、就労支援やがんサロン活動の充実が図れるよう努めてまいります。https://hospital.naramed-u.ac.jp/department/rheumatismcenter.htmlHPことでより質の高いケアの提供を行ってきました。またリウマチ性疾患について一般の方に広くお伝えするために市民公開講座も度々行ってきました。2020年に新型コロナウイルスの流行を契機に患者さん向けの取り組みが難しくなり、さらに2021年からは一時的にリウマチ外来として診療を行っておりましたが、2024年10月から体制を整え、吉本清巳を2代目センター長としてリウマチセンターとしての運営を再開しております。 現在も当センターでは開設当初からの理念を引き継いで、整形外科と内科(総合診療科および各専門内科)が密接に連携した診療体制を継続しており、併存疾患や合併症を抱える患者さんに対しても、総合的かつ質の高い診療の提供を続けております。今後も多彩なメンバーでより良いケアを提供できるよう取り組んでいく所存です。67令和7年2月7日現在のがん相談支援センターのメンバーです。左から中濱(がん看護専門看護師)、安川(社会福祉士/医療ソーシャルワーカー)、中村(副センター長)、武田教授(センター長)2024年10月にリウマチセンターが再開 当院のがん相談支援センターは、平成20年より独立したがん相談窓口として、診断や治療の状況にかかわらず、どのタイミングでもがんに関するさまざまな相談に対応しています。 開設当初は、当時の看護副部長1名が専従の相談員として従事することになり、臨床における豊富な看護実践や看護管理の経験を有していたものの、相談業務は初めてであり、初期の頃は戸惑いを覚えたことを後に述懐しています。がん相談支援センターでは、相談に来られた方の「からだ」「こころ」「くらし」の側面から、困りごとや課題に対応しています。この相談プロセスには、がんの病態や治療に関すること、社会保障制度など福祉に関すること、心理的支援にかかるコミュニケーションスキルなど多岐に渡る知識や技術が求められます。そのため、医療相談室や緩和ケアセンターとも密接に連携し、相談支援のサポート体制をつくってきました。令和5年度より、社会福祉士とがん看護専門看護師が専従相談員として配置され、医療と福祉の両面からそれぞれの専門性を 本学におけるリウマチ性疾患の診療は、リウマチセンター開設以前には各科にまたがって行われており、患者さんに不便をかけていました。しかし生物学的製剤など新たな薬物治療が革新的な効果を上げ始めたことで、手術療法を含めてより高いQOLを目指すことが求められるようになり、その一方で併存疾患の管理や合併症の予防など安全性に対する配慮も重要性を増してきました。2006年2月よりリウマチ性疾患を扱う内科医と整形外科医によるカンファレンスを行っておりましたが、内科と整形外科が枠を超えて診療にあたる重要性を感じ、2010年10月に整形外科外来の一部にリウマチ外来を開設しました。その後、より総合的に診療に取り組む必要性から、田中康仁を初代センター長として、2011年4月に附属病院組織内にリウマチセンターが発足することになりました。当センターでは内科医と整形外科医が横並びで診察をすることで「ここに来れば何とかなる」を実践し、またリウマチケア看護師や薬剤師など多職種が連携するがん相談支援センターセンター長/武田 真幸リウマチセンターセンター長/吉本 清巳

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