附属病院の組織HPhttps://meal.naramed-u.ac.jp/ この10年間で最も世界を揺るがせた出来事として、2020年初頭より始まったCOVID-19との戦いが挙げられます。COVID-19の感染拡大により世界各国の医療機関が対応に追われ、医療資源が不足し、医療従事者が過酷な状況に置かれました。このようにCOVID-19全世界で多大な影響を与えました。 この10年間のコロナ禍を含む看護部の変遷について振り返ってみます。2014年看護職の質向上及び地域貢献を目的に看護実践・キャリア支援センターが開設されました。2016年より他大学に先駆けて、看護師特定行為研修が開始となり、急性期コース7区分16行為の研修が開始されました。看護部の体制について、2016年より、外来-病棟統合を行い入院から外来まで継続した看護が提供できるように整えました。同年より「退院後訪問指導」を開始し、退院後の生活の場に出向き患者指導を開始しました。2019年電子カルテシステム更新のタイミングで、医療の質向上と効果的な働き方を目指しPCAPS〈食事療養業務〉 現在、病院食の種類は約150種類あり、毎日約1,800食を提供しております。病気の治療や回復を支援するために、委託給食会社の管理栄養士や調理師とともに、栄養バランスを考慮した食事を提供しております。また行事食を含めた献立の見直しなどを定期的に行い、患者満足度向上を目指しております。〈栄養指導業務〉 約10年前に給食業務を全面委託してから栄養指導件数は増加し、様々な疾患や幅広い年齢に応じた栄養指導を行っています。この10年間では、慢性疾患への栄養指導も増加傾向ですが、担がん患者の低栄養や食思不振などの栄養指導件数も増加しております。〈チーム医療〉 平成18年に多職種と協同で患者の栄養管理を行う「栄養サポートチーム(患者適応型パス)を大学病院で最初に導入しました。 続いてコロナ禍における当院の取り組みを紹介します。奈良県唯一の特定機能病院として2020年よりCOVID-19患者の受け入れ体制を整え診療にあたりました。当院においては、中等症から重症の患者を受け入れました。重症患者を受け入れるにあたり、対応病床150床と人員の確保を行いました。そのなかでも集中治療を要する重症患者の対応ができる看護師の確保が必要であり、集中治療経験のある看護師57名の人員の確保ができ対応できました。 学術的な活動として2021年奈良で行われた第59回全国自治体病院学会において看護部門を担当し、67演題を発表しました。 この間の看護部を看護部長は、髙橋美雪、橋口智子に受け継がれ現在にいたっています。今後も「状況の変化に対応し変革と挑戦によって安全で安心できるまごころを込めた看護の提供」を目指し、看護部で一丸となり邁進してまいります。(NST)」が院内で発足し、これをきっかけに管理栄養士がチーム医療に参加し、専門性を発揮する機会が増えました。現在褥瘡や緩和ケアチームなど、約15のチーム医療に参加しています。〈今後に向けて〉 今後、管理栄養士のスキルアップとして、学会や研修会に積極的に参加し、また研修医のローテーション研修の受け入れや、医療スタッフへの栄養に関する情報を発信していきたいと考えております。また、市民公開講座などを通じて地域へ貢献していきたいと思います。 近年、管理栄養士の業務やスキルが多方面で評価され、栄養に関する様々な診療報酬改定により、あらたな栄養管理体制も導入されることになりました。10年前は8名だった管理栄養士も現在は14名となり、今後も食事の満足度向上と患者の栄養サポートに努めていきたいと思います。69看護部部長/石飛 悦子栄養管理部部長/藤田 幸男
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