周麻酔期看護師高度実践コース

周麻酔期看護師とは?

「周麻酔期」とは麻酔科診療を軸にした、麻酔前、麻酔中、麻酔後の期間です。

麻酔前、麻酔中、麻酔後の期間

 周麻酔期看護師とは、麻酔科専門医の指示の下に麻酔科医の業務を補助する看護師のことです。これまで日本では、麻酔科医の業務を専門的に補助する看護師はいませんでしたが、麻酔科医と協働する看護師の育成を目的とし2010年に聖路加国際看護大学で周麻酔期看護学修士課程が開講されました。その後、いくつかの大学などでも開講され、奈良県立医科大学でも2016年より周麻酔期看護高度実践コースを開講しました。すでに2年間のコースの卒業生が当院や関連施設で周麻酔期看護の業務に従事しています。麻酔科医が周麻酔期看護師と協働することで、医療の質や安全を向上できればと考えています。手術中だけでなく、手術前や術後の管理に緊密にかかわっているため、患者さんの回復の質や生活機能の改善に寄与できればと思います。

 当院では以下のような、周麻酔期看護実践コース(2年間の看護学修士課程)で周麻酔期看護師の育成を行っています。周麻酔期看護実践コース修了者は、院内の高度医療技術者認定を受け、看護部のリソースナースセンターに配属されたうえで、麻酔科に出向し、麻酔科医とともに日々患者さんの診療に従事しています。

周麻酔期看護師 高度実践コース 担当教員

―常勤の担当教員―

川口昌彦
惠川淳二
西和田忠
内藤祐介
位田みつる
紀之本茜

オプトアウト

 当院は奈良県を代表する教育病院として、将来の地域医療を担う人材を育成しております。その一環として2016年より周麻酔期看護師の育成を行っております。

 周麻酔期看護師とは周術期(手術中およびその前後の期間)に看護および、医師の診療の補助を行うことを専門とする看護師です。看護師免許取得後、一定の臨床経験を経たのちに、奈良県立医科大学大学院高度実践コースに入学し2年間を通して周術期に特化した訓練を受け、より専門性の高い医療を提供することを目的としております。卒業後は、附属病院や関連施設で、麻酔科医とともに周麻酔期看護師による診療を実施しております。

 実習中は、外来や病棟での臨床実習を行ったり、麻酔中の患者さんを受け持たせていただいたりすることがございます。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。なお、研修中は指導責任医師とともに行動し法的に看護師に実施が許容される範囲内で実習を行っております。詳しくは下記<周麻酔期看護師が実習で実施する行為について>をご覧ください。

 なお、実習へのご協力は任意です。実習へのご協力を辞退される場合は、周術期管理センターもしくは下記連絡先までご連絡くださいますよう、よろしくお願いいたします。

周麻酔期看護師が実習で実施する行為について

  1. 周術期外来: 手術前の問診、麻酔の説明、手術後の麻酔の診察補助を行います
  2. 術後麻酔ラウンド: 手術後の痛みや合併症などの診察や対応を行います
  3. 気管挿管: 全身麻酔後にビデオ喉頭鏡と呼ばれる器具を用いて挿管チューブを入れることにより患者さんの呼吸をサポートします
  4. 末梢静脈路確保:全身麻酔に必ず必要となる点滴の注射を行います
  5. 橈骨動脈確保:血圧を連続的に監視したり、動脈からの採血を実施することを目的として全身麻酔後に手の動脈に点滴を入れます
  6. 麻酔薬・循環作動薬などの投与:麻酔中に血圧を一定に保つ目的で血圧をあげる薬や血圧を下げる薬、麻酔薬などを投与します
  7. 抜管:気管挿管したチューブを手術終了後に抜去します
  8. 硬膜外からの薬の投与: 医師が挿入した硬膜外カテーテルから薬の投与します
  9. 麻酔中のモニタリング:麻酔中に血圧や酸素飽和度などの値をモニタリングします
  10. 医師の診療補助:中心静脈路確保の介助、肺動脈カテーテル挿入の介助、気管支鏡の介助

 なお、これらの行為は周麻酔看護師でなくとも、医師の指示と医師の監視があれば、看護師による実施が認められている医療行為です。当院では、看護師の特定行為研修に含まれる医療行為1)と厚生労働省の「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」において分類された医行為分類2)や厚生労働省医政局看護課長通知3)をもとに、看護師に認められている範囲内で診療を実施しています。さらに実習中は責任医師が絶え間なく監視している中で医療行為を実施し、安全性の確保に努めてまいります。 趣旨をご理解いただき、みなさまのご協力をお願いいたします。

 

1)日本看護協会.看護師の特定行為研修制度.《 https://www.nurse.or.jp/nursing/education/tokuteikenshu/portal/about/koui.html 》(2022年3月16日閲覧)
2)厚生労働省.医行為の分類について(案).《 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002glgs-att/2r9852000002gllx.pdf 》(2022年3月16日閲覧)
3)厚生労働省医政局看護課長通知「看護師等が行う診療の補助行為及びその研修の推進について」医政看初1001第1号(平成27年10月).《 https://www.nurse.or.jp/nursing/education/tokuteikenshu/document/pdf/1001_01.pdf 》(2022年3月16日閲覧)

なお、この実習についてご不明な点がございましたら、下記連絡先までご連絡ください。

 

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連絡先:
奈良県立医科大学 麻酔科学教室
奈良県橿原市四条町840番地
0744-22-3051
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業績一覧

業績 2022

原著(欧文)

Nakatani S, Ida M, Wang X, Naito Y, Kawaguchi M.
Incidence and factors associated with postoperative delirium in patients undergoing transurethral resection of bladder tumor.
JA Clin Rep. 2022 Jan 22;8(1):6.

原著(邦文)

中谷昌平、位田みつる、内藤祐介、王暁瑩、川口昌彦.
5-アミノレブリン酸経口投与患者における術中低血圧に影響を及ぼす因子の検討
臨床麻酔.46(2).p139-144.2022.

国内学会発表:一般演題

中谷 昌平、位田 みつる、川口 昌彦.
オラネキシジングルコン酸塩による接触性皮膚炎の1例
日本老年麻酔学会 第34回大会.2022.2.11.和歌山.和歌山県立情報交流センターBig・U.

業績 2021

原著(欧文)

Nakatani S, Ida M, Tanaka Y, Okamoto N, Wang X, Nakatani H, Sato M, Naito Y, Kawaguchi M. Translation and validation of the Japanese Version of the Quality of Recovery-15 Questionnaire.
J Anesth. 2021 Jun;35(3):426-433.

Nakatani S, Ida M, Wang X, Naito Y, Kawaguchi M.
Oral 5-aminolevulinic acid administration prior to transurethral resection of bladder tumor causes intraoperative hypotension: Propensity score analysis.
Photodiagnosis Photodyn Ther. 2021 Jun;34:102342.

国内学会発表:一般演題

中谷 昌平、位田 みつる、田中 優、内藤 祐介、王 暁瑩、川口 昌彦.
日本語版Quality of Recovery15の作成と妥当性の検討
日本麻酔科学会 第68回学術集会.2021.6.3.兵庫.神戸ポートピアホテル・国際会議場(WEB).

中谷 昌平、位田 みつる、内藤 祐介、王 暁瑩、川口 昌彦.
5-アミノレブリン酸経口投与における術中低血圧への影響について
日本神経麻酔集中治療学会 第25回大会.2021.6.19.北海道.札幌医科大学(WEB).

衣笠 佑基、位田 みつる、中谷 昌平、川口 昌彦
術後の回復度に影響を及ぼす因子の検討
日本神経麻酔集中治療学会 第25回大会.2021.6.19.北海道.札幌医科大学(WEB).

宇山 佳代、位田 みつる、内藤 祐介、川口 昌彦.
術後持続鎮痛を使用して腹部手術を受けた患者における慢性痛の関連因子の検討
日本臨床麻酔学会 第41回大会.2021.11.05.北海道.ロイトン札幌.

中谷 昌平、位田 みつる、内藤 祐介、王 暁瑩、川口 昌彦.
5-アミノレブリン酸経口投与における術中低血圧に影響を及ぼす因子の検討
日本臨床麻酔学会 第41回大会.2021.11.6.北海道.ロイトン札幌.

中谷 昌平、位田 みつる、川口 昌彦.
経尿道的膀胱腫瘍切除術における術後せん妄の発生について
日本蘇生学会 第40回大会.2021.11.12.奈良.ホテル日航奈良.

業績 2019

国内学会発表:一般演題

岡本 直子、位田 みつる、佐藤 眞理子、浅田 淳、川口 昌彦
婦人科手術を受けた患者の術後離床を妨げる因子についての検討.
第41回 日本手術医学会総会.2019.09.28.東京.東京ドームホテル.

浅田 淳、佐藤 眞理子、岡本 直子、位田 みつる、川口 昌彦.
全身麻酔下消化器外科手術患者の術後1日目の離床割合と離床阻害因子についての検討.
第41回 日本手術医学会総会.2019.09.28.東京. 東京ドームホテル.

佐藤 眞理子、園部 奨太、西和田 忠、惠川 淳二、井上 聡己、川口 昌彦.
重症患者移送時の問題点(モニタリングおよび搬送担当システムについて).
日本蘇生学会第38回大会.2019.11.15.長崎.長崎新聞文化ホール・長崎ブリックホール.

佐藤 眞理子、内藤 祐介、位田 みつる、惠川 淳二、川口 昌彦.
周麻酔期看護師育成に対する他職種の意識調査.
日本臨床麻酔学会 第39回大会.2019.11.08.長野.プリンスグランドリゾート軽井沢.

佐藤 眞理子、位田 みつる、内藤 祐介、川口 昌彦.
奈良県立医科大学における周麻酔期死亡の現状調査.
第41回 日本手術医学会総会.2019.09.28.東京.東京ドームホテル.

岡本 直子、位田 みつる、佐藤 眞理子、浅田 淳、川口 昌彦.
婦人科手術を受けた患者の術後離床を妨げる因子についての検討.
第41回 日本手術医学会総会.2019.09.28.東京.東京ドームホテル.

浅田 淳、佐藤 眞理子、岡本 直子、位田 みつる、川口 昌彦.
全身麻酔下消化器外科手術患者の術後1日目の離床割合と離床阻害因子についての検討.
第41回 日本手術医学会総会.2019.09.28.東京. 東京ドームホテル.

業績 2018

総説その他:邦文

佐藤 眞理子、位田 みつる、川口 昌彦.
内頸動脈内膜剥離術後の気道狭窄に伴うたこつぼ心筋症.
臨床麻酔.42(1).p81-82 2018.

国内学会発表:一般演題

佐藤 眞理子、位田 みつる、内藤 祐介、川口 昌彦.
術後死亡患者遺族に対する死の質の調査.
日本蘇生学会第37回大会.2018.11.16.山形.天童ホテル.

佐藤 眞理子、位田 みつる、内藤 祐介、川口 昌彦
手術後に死亡した患者家族に対する死の質についてのアンケート調査.
第45回日本集中治療医学会学術集会.2018.02.21.千葉.ホテル ザ・マンハッタン.

業績 2017

国内学会発表:一般演題

佐藤 眞理子、位田 みつる、川口 昌彦.
内頚動脈内膜剥離術後に軌道狭窄およびたこつぼ心筋症が生じた一例.
日本蘇生学会 第36回大会.2017.11.26.東京.帝京大学板橋キャンパス.

山本 由美子、榎本 純子、位田 みつる、佐藤 眞理子、川口 昌彦.
局所麻酔で帝王切開を受けた患者の術後満足度に与える因子の検討.
第121回日本産科麻酔学会.2017.11.18.大阪.太閤園.

規定一覧

問い合わせ

周麻酔期看護師として一緒に学びませんか?

大学院看護学研究科募集(周麻酔期看護学 Perianesthesia Nursing)

奈良県立医科大学大学院看護研究科(高度実践コース 周麻酔期看護師教育課程)では大学院生を募集しています。
 詳細は、以下を参照してください。
https://www.naramed-u.ac.jp/~kangogaku/about/index.html

 対 象:看護師。周術期看護に興味のある方。専門領域を学びさらにパワーアップしたい方、リサーチマインドを身につけたい方、世界に通じる研究論文を書きたい方、新たなチーム医療の実践に挑戦できる方。

● 主な研究内容:周麻酔期管理に関連した研究、周術期アウトカムを用いた研究。

● 主な勤務形態:週3〜5日(相談可)。非常勤看護師として雇用しますので、働きながら実習することが可能です。

● 問い合わせ:
奈良県立医科大学麻酔科学教室
川口昌彦

E-mail: drjkawa@naramed-u.ac.jp