文字サイズ

  • 標準
  • 拡大

糖尿病センター(糖尿病学講座)

責任者からのメッセージ

高橋 裕(教授)

糖尿病・内分泌内科は、全身を統合的に理解し、俯瞰的アプローチを行う非常に内科らしい診療科です。基本的には糖尿病、内分泌代謝の専門医であるとともにまず内科医として一人前になることを目指します。そして当科では糖尿病、内分泌代謝疾患の基本的な知識、技術だけではなく大切な考え方、そして医師としての姿勢を学びます。

内分泌疾患における検査データから謎を紐解いていく過程はあたかも上質の推理小説を読むような楽しさがあります。病態をロジックに理解できる楽しい知的作業を是非経験してください。糖尿病診療では、多くの種類の糖尿病治療薬を患者さんの病態に応じて使い分け血糖をコントロールし合併症を防ぐことで、エキスパートとしての腕を発揮することも大切ですが、血糖が上昇しているのは結果であって原因ではありません。なぜこの患者さんは食べ過ぎるのか、運動ができないのか、治療に向き合えないのかを深く理解するとともに、寄り添い信頼関係を築いて行動変容をいかに引き起こすのかが重要です。当科では2型糖尿病、肥満症をはじめとする生活習慣病診療、合併症対策、行動変容、チーム医療などについて、そして内分泌疾患では電解質異常や甲状腺疾患などコモンディジーズから下垂体疾患などエキスパートの技が必要な疾患まで広く学ぶことができます。

特に毎朝の新患カンファレンスでは外来のすべての新患、共観患者について教授を始めエキスパートの指導医と方針について議論できるので、若い先生たちが短期間で多くの経験を積むとともに見違えるように成長することができます。さらに学会発表や臨床研究を通じて未知の病態にも対応できるような真のエキスパートを目指します。専門医としての資格だけではなく、中身も伴った実力をつけたい先生たちを歓迎します。

キャリアパス

糖尿病・内分泌内科では、内科専門医研修期間3年のうち2年間を奈良県立医科大学附属病院で、残りの1年間を連携施設で研修を行います。研修期間の3年間で内科専門医として必要な診療能力や技能・態度を身につけると共に、サブスペシャリティとして内分泌代謝・糖尿病内科(領域)の連動研修を行います。奈良県には糖尿病・内分泌領域の専門医が少なく、奈良県立医科大学附属病院には奈良県内外からの多数の糖尿病・内分泌疾患症例が集まります。当科での研修では、エキスパートの指導の下短期間で充実した研修を行うことが出来ます。

総合内科専門医、内分泌代謝・糖尿病内科(領域)専門医を取得した後には、内分泌代謝・糖尿病各領域の更なる専門研修を行うことで日本内分泌学会認定の内分泌代謝科専門医、日本糖尿病学会認定の糖尿病専門医を取得することが可能です。また、内科後期研修修了後には大学院に進学し、糖尿病・内分泌領域の研究を行い博士(医学)の取得も可能です。

専門医取得後には奈良県内の基幹病院において、糖尿病・内分泌領域のエキスパートとして活躍が期待されています。県内の各病院における専門医のニーズは非常に高いです。また、博士号取得後には、明日の医学を切り拓くPhysician Scientistとして活躍できるよう指導しています。

先輩医師からのメッセージ

池 茉美香

私はもともと内分泌疾患に興味があったこともあり最終的に糖尿病・内分泌内科へ入局しました。糖尿病内科というと血糖値だけを見ているというイメージがあるかもしれません。しかし実際は患者がどんな性格で、どんな病気をもち、病気に対しどんな感情を抱き、どういう生活をし、何を食べ、どんな仕事をし・・・と患者の人間性や生活に踏み込み、その上でどんな治療が一番適しているか、患者自身や家族、医療従事者で協力して考えていくというかなりマニアック?な科であります。

内分泌内科はバセドウ病などよくみるものから、原因不明のショックが実は副腎不全!ということまで、症状、バイタル、採血などの小さなヒントから疾患を推理していく非常に面白い科です。さらに後期研修中1年間南奈良総合医療センターの総合診療科にて、科を超えて市中の一般内科を広く勉強する経験もさせていただきました。膠原病や血液疾患はじめ他科ではなかなか経験できない様々な急性期治療だけではなく、在宅診療で患者の人となりや暮らしに直接触れ、患者の最期を家族と医療者の中間のような立場からサポートする貴重な経験もできました。この2年間で、患者にとってベストを尽くすこと、患者を総合的に引き受けるということについて学べた気がします。

一週間の業務例

← 図表は左右にスクロールできます。 →

午前 新患カンファレンス(8:30~9:00) 他病院での外来勤務 月に2回程度、日当直
半年に1回程度、ER当直
外来診察 病棟診察 外来診察 病棟診察
午後 病棟診察

16:00~
症例カンファレンス
17:00~
医局会
20:00~
Web勉強会
病棟診察

16:45~
研究カンファレンス
病棟診察

15:00~
受け持ち全症例レビュー
病棟診察

16:00~
多職種カンファレンス

新患カンファレンスでは、毎朝その日の全紹介患者を確認し治療方針の共有を行います。
各種カンファレンスは医局員の多様な働き方に配慮するため、業務時間内の開催を心がけています。
毎週月曜日20時からは、医局員の抄読会・学内外のエキスパートからの特別講演をWeb形式で開催しています。個人のワークライフバランスに応じて自宅からの参加が可能です。
当直は総合診療科との合同で当直を行っています。後期研修医には、平日当直(月2回程度)、土日祝日の日当直(月2回程度)があります。
週に1日、他病院の外来(糖尿病・内分泌内科外来や一般内科外来)勤務を行います。

GSコースの三年間

← 図表は左右にスクロールできます。 →

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年目 奈良医大 糖尿病・内分泌内科での研修 他内科での研修
2年目 連携施設での一般内科研修
3年目 奈良医大 糖尿病・内分泌内科での研修

GSコースのうち2年間は本学附属病院糖尿病・内分泌内科での研修を中心に、これまでの症例経験に応じて他の内科をローテート研修することで内科専門医取得に必要な内科研修を行います。残りの1年間は連携施設での一般内科研修を行い、内科医にとって必要な臨床能力を身につけます。またGSコース研修中に一般内科を重点的に研修希望する場合は、2年間の連携施設での研修も選択可能です。

お問い合わせ

  • 奈良県立医科大学附属病院 糖尿病・内分泌内科(糖尿病・内分泌内科学講座)
  • TEL:0744-22-3051(代)

その他、詳細情報については特設HPへ

糖尿病・内分泌内科(糖尿病・内分泌内科学)特設ページ