現在、米国ハーバード大学耳鼻咽喉科学教室に留学しています。伝統ある側頭骨病理学の研究室に所属し、人工内耳術後の内耳の病理について研究しています。このような機会を与えてくださった北原教授をはじめ、教室の皆様方に深く感謝いたします。当教室に興味を持たれている方や留学を考えている方に参考になればと思います。

奈良医大での初期研修では入局先をかなり迷いましたが、学生時代にラグビーで鼻骨骨折した際にお世話になった耳鼻科に決めました。入局時にもラグビー部の先輩である現太田講師が留学されていました。近年、全国的に留学者が減少しているのは大学への入局者が減ったため、人的余裕がなくなったからではないかと思います。その上、周りに留学経験者がいないと留学を考える機会すらなくなるので、連鎖的に留学が減ってしまいます。その点、当科では入局後から数えても先輩10人後輩3人が国内外に留学されているので、心配無用です。入局時には留学など全く考えていませんでしたが、このような環境で後期研修を行うことは現在の僕のように将来の選択肢が広がる選択だと思います。

海外留学となると言葉、家族、費用など不安があるかと思います。子供たち(中1と小5)は現地校にも馴染んで元気に登校しています。1年弱になりますが英語は僕に駄目だしするくらいにまでになっています。週末には郊外、連休にはニューヨークに出掛けたりと、日本ではあまり家族の時間がとれなかったので、ここぞとばかりに思い出作りをさせてもらっています。

費用に関しては、ある程度蓄えが必要です。家を借りる際には家賃数年分の預金証明必要でした。無理をせず、蓄えや留学先の条件などをよく考えて決定すべきと思います。僕も決断する前には北原教授や留学した先輩方に相談の乗っていただきました。最後になりますが、一人でも多くの方々が当教室や海外留学に興味を持っていただけたらと思います。