切らずにがんを治す放射線治療は多くのがん治療に使われています。がんの種類によっては、手術と同等の治療効果がえられますが、さらに手術ができない患者さんの一部にも有効性です。また、がんによる苦痛の軽減を目的とした治療もおこなっています。
放射線治療がおこなわれている代表的な腫瘍（がん）は以下のとおりですが、外科療法（手術）、化学療法（抗がん剤）などとの比較、組み合わせが重要です。まずは各科の担当医とご相談いただき、各種の治療方法を十分に検討された上で、当科を受診していただくのが原則です。なお、原発性のがんの他に、脳転移、骨転移などの治療もおこなっています。
放射線治療がおこなわれている主な腫瘍（がん）：
脳腫瘍（原発性、転移性）、頭頸部がん（喉頭がん、咽頭がん、口腔がん、他）、食道がん、肺がん、乳がん、前立腺がん、子宮がん、悪性リンパ腫、骨腫瘍（原発性、転移性）、軟部腫瘍（肉腫）、皮膚がん、他
当院で実施可能な放射線治療および主な適応疾患の概要は以下のとおりです。根治目的の照射の他、術前照射、術後照射、姑息・緩和照射等もおこなっています。ただし、治療方法によっては早急な対応が困難な場合もありますので、予めご了承ください。
放射線治療用設備：
- １）外部放射線治療用リニアック３台 (３台とも画像誘導放射線治療対応)；
- 高精度放射線治療用リニアック１台 (バリアン社 TrueBeam STx)
- 万能型放射線治療用リニアック１台 (バリアン社 Trilogy)
- 定位放射線治療用リニアック１台（ブレインラボ社 Novalis)
- ２）遠隔操作式高線量率密封小線源治療装置１式(イリジウム；マイクロセレクトロン)
- ３）前立腺癌用ヨウ素125シード永久挿入治療装置１式（泌尿器科と共同で実施）
放射線治療方法と主な適応：
- １）外部照射；
- 通常照射、三次元原体照射：脳腫瘍（原発性、転移性）、頭頸部癌、肺癌、乳癌、前立腺癌、 子宮頸癌、膵癌、直腸癌、悪性リンパ腫、骨腫瘍（原発性、転移性）、軟部腫瘍（肉腫）、皮膚癌、他
- 定位放射線照射（SRS、SRT）：脳腫瘍（原発性、転移性）、肺癌、他
- 強度変調放射線治療（IMRT）：前立腺癌、頭頸部癌、脳腫瘍、他
- 全身照射：白血病（移植の前処置）、他
- ２）密封小線源治療；
- 密封小線源イリジウム：子宮頸癌、食道癌、胆道癌、他
- ヨードシード永久挿入：前立腺癌
- ３）非密封小線源治療；
- ストロンチウム89（メタストロン）：転移性骨腫瘍
- イットリウム90標識抗CD20抗体（ゼバリン）：悪性リンパ腫