ここから本文です。
泌尿器科学は、本来外科学の一分野でありますが、外科治療のみで全てが解決できるものではありません。最新の薬学や医療工学の成果を駆使し、個々の患者さんに最適の治療法を提示し、患者さんと共に選択し、常に日常生活の質(QOL)を重視した診療を心掛けています。当科の主要な診療領域は、泌尿器悪性腫瘍、排尿機能障害、腎不全・腎移植、小児泌尿器疾患でありますが、高齢社会となった日本の医療におきましては、今後も泌尿器科領域の診療の需要は益々増大するものと考え、これらの領域を診療と研究の柱としてプライマリケアから高度先進医療まで担ってまいります。
腎がんの無阻血腎温存手術、膀胱がんの光力学診断、前立腺がんの小線源療法(ブラキテラピー)、各種泌尿器科手術における腹腔鏡や内視鏡手術の導入など、根治性の高い低侵襲治療を推進しています。また各種進行がんについては、外科治療に併せて化学療法や放射線療法による集学的治療を行っています。排尿障害については、男性の前立腺肥大症と女性の尿失禁に対する外科治療、過活動膀胱や夜間頻尿と睡眠障害を診療・研究のテーマにしています。腎不全・移植領域では、県内の関連施設と共に透析医療の管理と生体腎移植を推進し、腎移植症例は年間15件程度実施しております。また、わが国の未来を担う子供たちに降りかかる健康上の問題を解消するため、小児泌尿器科を専門性の高い領域のひとつとして認識し、低侵襲な腹腔鏡手術や高度な尿路形成術など小児泌尿器科の診療充実を図っております。
初診の場合、月曜日、水曜日、木曜日、金曜日のいずれも午前に来院してください。木曜日は腎不全および排尿障害を対象とした外来のみ行っています。混雑のため、診察までの待ち時間をかなりいただくことがありますが、どうかご容赦ください。初診のあと、疾患に応じて専門担当医の再診予約をおとりします。また、泌尿器科疾患各種につき、他施設からのセカンドオピニオン外来も受け付けております。
また、当科の関連施設は奈良県下はもとより、大阪府下、三重県下にも充実しておりますので、通院の便宜や診療の効率化のため、適宜ご紹介いたします。どのようなことでも、どうぞご遠慮なくお尋ね下さい。