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整形外科は全身の運動器(身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経など)を対象とした診療科です。扱う疾患は骨折などの急性外傷と変形性関節症などの慢性疾患に大きく2分され、さらに後者は脊椎疾患、関節疾患、腫瘍疾患に分かれます。また、小児から高齢者まですべての年齢の方を治療いたします。その疾患形態も子供と大人では全く異なっていることは容易に理解できると思います。また、骨粗鬆症に原因した高齢者の脆弱性骨折と若者のスポーツ傷害では当然治療方法が異なります。当整形外科では各分野にエキスパートがおり、実際の診療にあたっては常に連携をとり治療をおこなっております。
各関節疾患において、変形性関節症に対しては人工関節置換術(ナビゲーション、カスタムメイドを含む),関節形成術,骨切り術,固定術を、離断性骨軟骨炎に対しては骨軟骨移植やドリリングなどを行っており、変形に対して創外固定器による矯正も数多く手がけております。また、低侵襲治療を目指し様々な関節鏡視下手術にも力を入れております。再建医学としては人工関節のみならず、腫瘍切除後に生じた欠損部に人工骨・処理骨を用いた再建を行うことに加え、血管をつなぎ合わせて行う複合組織移植にも長い歴史を持っております。脊髄神経除圧では麻酔科と連携して脊髄保護のため、術中の脊髄モニタリングを併用した安全な手術を心がけております。先進的な取り組みとしては、培養細胞を併用した治療(軟骨再生、骨再生、偽関節治療)を中心に行っております。
本院は厚生労働省より特定機能病院としての承認を受けています。
一般の医療機関では実施することが難しい手術や高度で先進的な医療を、高度な医療機器、充実した施設・設備の中で行うことができる病院が特定機能病院です。
特定機能病院では、先進医療を含む、より高度な専門医療を必要とする患者様や病気が進行中の急性期の患者様を診ることが望ましいとされており、基本的に他の病院や診療所から紹介を受け、受診していただくこととなっています。そのため当科では基本的にすべて診察は予約制となっております。整形外科で扱う疾患は幅広く、患者様の数が最も多い科の一つであります。円滑で充実した診療のため、なにとぞご理解いただきますようお願い申し上げます。