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消化器・代謝内科は、1977年に大学整備拡充事業の一環として開設された講座で、初代辻井正教授の指導のもとに多くの人材が集まり、専門領域も拡大してまいりました。現在では多数の当科出身の医師が奈良県の各病院で地域医療に貢献しています。1995年には、福井博教授が就任し、奈良県を中心とした各地域の病院との密接な連携のもとに、消化器(消化管・肝胆膵)疾患、内分泌・代謝性疾患を中心とした診療を担当しております。現在、附属病院において、年間約44,000人の外来患者、約23,000人の入院患者さんを診療しており、1人1人の患者さんの価値観や気持ちに寄り添った診療を実践し、全人的な医療を目指しています。
消化器は、消化管(食道、胃、小腸、大腸)と肝臓、胆道、膵臓からなり、癌(がん)が多く発生する領域です。がんは早期に発見することが肝要で、超音波や内視鏡、超音波内視鏡、CT、MRI等を用いて早期診断に努めています。早期に発見された肝臓癌や早期食道癌、早期胃癌などは、ラジオ波凝固療法や内視鏡的粘膜下層剥離術などの超音波や内視鏡を応用した先端治療技術を駆使して治療しています。進行がんに対しても、消化器外科、放射線科、腫瘍放射線科などと密に連携して、専門的で集学的かつ個々の病態を考慮したテーラーメード医療を実践しています。また、肝炎や肝硬変、胃食道静脈瘤、胆石症、膵炎、胃十二指腸潰瘍、炎症性腸疾患などの良性疾患についても、各専門スタッフが、安全でより効果的な最新の医療を提供しています。代謝疾患に関しても綿密な病態分析のもと、きめ細かい治療を行っています。