診療科紹介
当科は”質の高い外科治療を患者様に提供すること”を目標に掲げ、年間約250例の心臓血管外科手術を行っております。対象疾患は虚血性心疾患・弁膜症・先天性心疾患・大動脈瘤や解離・閉塞性動脈硬化症や静脈瘤などです。体力のある方には、将来的に安定した結果が得られる拡大術式も積極的に行い、早期社会復帰を希望される比較的若い世代の方には、美容的に優れる小さい皮膚切開で行う低侵襲手術(MICS手術)も選択可能です。また、体力のない方や高齢の方には、循環器内科や放射線科の医師とチームを形成していますので、カテーテルによる弁置換術(TAVI)や、ステントグラフト・血管内治療を併用したハイブリッド手術も選択可能です。小児診療においても、当科は県内唯一の小児心臓手術を行える施設であり、小児科・NICUと連携して治療に取り組んでいます。このように、当診療科は幅広い治療選択肢を有しており、他の診療科や部門をチーム形成することにより、最適な時期に最適な治療法の選択ができるよう診療体制を構築しています。
また、当科が診療する疾患には、大動脈解離、動脈瘤破裂、心筋梗塞など緊急を要する疾患も多く、緊急手術には可能な限り24時間対応しています。
診療内容
虚血性心疾患、弁膜症を中心とした成人後天性心疾患や、急性大動脈解離、胸部や腹部の大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症などの血管疾患、心房中隔欠損、心房中隔欠損や複雑心奇形などの先天性心疾患に対して最先端の治療を取り入れた心臓血管外科手術に取り組んでいます。虚血心疾患では、状態に応じて心拍動下冠動脈バイパス術や多くの冠動脈を再建する術式まで幅広く対応可能です。弁膜症では自己弁を温存できる弁形成術を第一選択とし、数センチの皮膚切開でのMICS手術(低侵襲手術)も積極的に導入しております。また、循環器内科、放射線科と連携し”ハートチーム”を形成し、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)も行っています。
血管疾患では、胸部大動脈瘤に対して従来の開胸手術以外にも、バイパス術とステントグラフト治療を組み合わせたハイブリッド治療を放射線科と連携して行っております。また、末梢血管では閉塞性動脈硬化症による重症虚血肢が増加しておりバイパス術や血管内治療を組み合わせたハイブリッド治療を放射線科と連携して行い下肢救済に取り組んでおります。
先天性心疾患では、産婦人科や小児科、NICUと連携し新生児、乳幼児期の手術成績向上に努め、長期的なQOL向上を目指し、綿密かつ継続的な診療を行っております。
主な対象疾患
後天性心疾患
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞、左室瘤など)、弁膜症(大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症など)
血管疾患
大動脈解離、大動脈瘤(胸部、腹部)、大動脈弁輪拡張症、大動脈炎、マルファン症候群、閉塞性動脈硬化症、ビュルガー病、下肢静脈瘤など
先天性心疾患
心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存症、ファロー四徴症、大血管転位症、左室低形成症候群、大動脈縮窄症など
その他
不整脈手術、心臓腫瘍など