みなさま、2022年4月1日、奈良県立医科大学は附属病院に在宅医療支援センターを設立いたしました。在宅医療は入院医療、外来医療と並び第3の医療として地域共生社会・地域包括ケアシステムの中で重要な役割を担いつつあります。このコロナ禍におきましても、在宅医療が果たしている役割には目を見張るものがあります。今後もさらなる人口減少や高齢化に伴い、第3の医療として、より一層、医療機関の機能分化・連携が必要になると考えられます。厚生労働省も医療機能別必要病床数は計133万床(2015)から119万床(2025年)に減少する一方、在宅医療は約30万人が必要になると見込まれており、在宅医療のさらなる充実・強化が喫緊の課題となっております。
 平成30年度に奈良県医師会が実施された在宅医療に関するアンケート調査(回答数 計313)がございますが、在宅医療に取り組まない主な理由としまして、以下のご意見があげられております。
  1位 「時間的制約がきつく体力、気力的に続ける自信がない (51%)」
  2位 「自分の専門以外の疾病に対応する自信がない (17%)」
 そこで、奈良県立医科大学としましては、上記の在宅医療の課題に対応するため、附属病院に在宅医療支援センターを設立いたしました。すなわち、在宅の患者さんに対する夜間や休日における対応の肩代わり(夜間・休日の支援)や専門外のことに関するご相談をお受けしていきたいと思います。これら各種サポートの概要につきましては、このホームページ内の「在宅医療支援センターについて」の「業務内容の紹介」をご覧いただければと思います。医大内に各科や専門ナースよりなるワーキンググループを設置しておりますので、在宅医療に関するものでしたらどんな内容でも問題ありません。医師のみならず、看護師や介護職員、ケアマネジャーなど在宅医療に関わる皆様から、あらゆる質問や相談をお受けしていきたいと思いますので、ぜひご活用ください。
 以上、支援センターの設置によりまして、在宅医療をやってもいいかと思っていただける医師が増えること、そして奈良県内の在宅医療の充実が図れますように努力してまいりたいと思います。