脳外科手術（脳腫瘍摘出術、脳動脈瘤クリッピング術、頸動脈内膜剥離術など）、脊椎脊髄手術（脊髄腫瘍、側弯症、脊椎固定術など）、大血管手術、耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術など、術中に神経機能を障害する可能性がある場合、術中から神経機能モニタリングをすることで神経機能障害の発生を予防することが重要です。脊髄誘発電位測定等加算に関する診療報酬も付与されており、多くの施設で術中の神経機能モニタリングが実施され始めています。より精度の高い神経モニタリングを実施するためには、神経モニタリングに関する十分な知識や技能の獲得と共に良好な多職種チーム医療が必須となっています。

奈良県立医科大学では、より精度の高い術中神経モニターを実施するための人材を養成するため、2019年より本邦で初めて大学院医学研究科に“臨床神経モニター学（Clinical Neuromonitoring）”の修士課程と博士課程を設立しました。脳外科医、整形外科医、麻酔科医、臨床検査技師などにより臨床神経モニターの実践教育と更なるモニタリングの発展のための研究を実践します。修士課程は2年コースで、博士課程は4年コースです。社会人大学院もありますので、各施設で働きながらの履修も可能です。社会人大学院では、最低週１回の当院での神経モニタリングの実践と講義などへの参加が必要です。

https://www.naramed-u.ac.jp/university/nyushijoho/igakukenkyuka/index.html

現在実施中の術中神経モニター

脳波
皮質脳波
運動誘発電位
脊髄誘発電位
フリーランEMG
体性感覚誘発電位
聴性脳幹反応
視覚誘発電位
眼球運動神経モニター
顔面神経モニター
下位脳神経モニター
異常筋反応
球海綿体反射
皮質皮質間誘発電位

神経モニター実績

脳神経外科

整形外科

心臓血管外科(下行血管置換術など)

耳鼻科，呼吸器外科,その他など

教育プログラム

神経モニター実績　100症例（症例レポート提出）（修士課程）

奈良術中神経モニター講習会　年1回開催
臨床神経モニターカンファランス・抄読会　月1回（第1月曜日）
臨床神経モニター関連学会・研究会：出席・発表