日本小児科学会 奈良地方会
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先輩インタビュー

平成29年入局 大久保先生

平成29年入局 大久保先生

奈良県立医科大学小児科を選んだ理由は?

私は父を病で亡くした経験から、一人でも多く病気で苦しむ人を助けたいと考え医師を志しました。

私が小児科を選択した理由は二つあり、一つ目はこどもの成長をみることができる点です。こどもが元気に成長していくところを見ることができるのは、小児科ならではと思います。

二つ目は、様々な分野を診ることができる点です。感染症、アレルギー、循環器疾患、先天性疾患、内分泌疾患など幅広い知識が必要となりますが、それだけやりがいのある仕事だと思い小児科を選びました。

私は奈良県費奨学生であり、奈良県立医科大学での研修を選択しました。奈良医大小児科は血栓止血分野を中心として、各分野のスペシャリストがおられ、様々な分野の症例を経験することができました。

実際に当科で研修されて、いかがでしたか?

奈良医大の小児科研修プログラムでは、市中病院、NICU、大学病院を各1年間ずつローテートし研修を行います。大学病院では、稀な疾患や重症な患者さんが多く受診されますが、各専門の指導医の先生方の手厚いサポートのもと安心して診療を行うことができました。
また、抄読会が毎週行われており、新しい情報を得ることができる良い機会となりました。抄読会だけでなく、専攻医や初期研修医に向けた勉強会も定期的に開催されています。基礎的なことから、日常診療に役立つ知識を教えていただくことができました。

研修を終えて次に目指すもの、将来のキャリアプランについて教えて下さい

後期研修の3年間を終えて、四月から市中病院で勤務することになりました。そこでアレルギーの勉強をし、アレルギー専門医を目指したいと思っています。アレルギー疾患を持つ児は非常に多く、一人でも多くのこどもを助けてあげたいと思います。

医学生や研修医の皆さんに、メッセージをお願いします

日本は少子高齢化という問題に直面していますが、小児医療は時代とともに変わり、ますます小児科医の需要が高まっています。
小児救急や一般小児は元より、発達や精神の問題に対する役割、虐待の増加に伴う社会的な役割、ワクチンなどの予防医学、様々な分野での専門性を持った医師が求められています。私自身は小児科医としての勤務歴は短いですが、奈良医大の小児科には各分野の専門医の先生が多数勤務されており、丁寧に指導してもらえるので自信を持って医療をすることができています。
こどもの疾患を治療するだけでなく、ご家族とも信頼関係を築き、みんなが笑顔になれるような医療ができる小児科医になりたいと思っています。小児科に興味を持ってくださっている医学生や研修医の先生方にお伝えしたいことは、きっと小児科を選択して後悔することはないということです。お一人でも多くの先生と、奈良医大小児科で一緒に働くことができたらとても幸せです。

平成28年入局 水町先生

平成28年入局 水町先生

奈良県立医科大学小児科を選んだ理由は?

小児科医になりたいと思い始めたのは、はっきりとは覚えていませんがおそらく幼稚園児のころからだったと思います。

病弱で幼少期から何度も入退院や救急受診を繰り返し、多くの医療スタッフに支えられて生きてきた経緯から、「将来は自分も、病気でつらい思いをしている子どもたちや家族の支えになれるようになりたい」「自分のように辛い思いをする子どもたちが存在しない世界にしたい」と願うようになりました。 実際に初期研修医になってみるとほかにも魅力的な診療科はたくさんありましたが、やはり自分自身が医師を志した原点は小児医療にあったため科の選択に迷うことはありませんでした。

奈良医大の小児科を選んだのは、自身が奈良医大の卒業生であることもありますが、奈良医大小児科が世界に誇れる研究領域を持っていることが決め手でした。
小児科医として臨床で実際に子どもたちの医療にあたることはもちろん重要ではありますが、研究によって現状の治療法をより良いものに変えていくために必要な環境が整っていることも同じように重要だと考えたからです。

実際に当科で研修されて、いかがでしたか?

小児科医になってから、市中病院、NICU、大学病院の順で計3年間の研修をさせていただきました。
“小児科”と一口に言っても、上記それぞれの施設が担当する領域・疾患は全く別物であり「ほとんど他科」といっても過言ではないかもしれません。
一般市中病院では感染症やアレルギー疾患などのいわゆるcommon diseaseが中心ですが、NICUでは新生児の集中治療と退院後の発達・発育のフォローアップ、大学病院では専門領域別の特殊な疾患や重症患児の管理と、学ぶべき内容が1年毎に目まぐるしく変わります。
それほどに膨大な領域をたった3年間で経験するには相当な密度の研修が必要ですが、それぞれの領域にそれぞれのやりがいがあり、どの施設でも厳しくも優しい指導医の下で、厚いサポートを受けながら小児科研修を行うことができました。
研修を終える頃には徐々にそれぞれの領域や病態の繋がりを意識できるようにもなり、より小児科医としての幅や深みを身につけられたと感じています。
重症な病態や冷や汗をかく症例もたくさんありましたが、その度に上級医の先生方の丁寧なご指導・ご助言をくださいましたし、コメディカルともコミュニケーションを取りつつ適度にストレスも発散しながら充実した3年間の研修を過ごすことができました。

研修を終えて次に目指すもの、将来のキャリアプランについて教えて下さい

専門研修を終えた6年目(小児科医4年目)には無事に小児科専門医の資格も取得でき、臨床については一通りの知識・経験を積むことができたという実感を持てたこともあり、2020年度(小児科医5年目)より大学院へ進学し研究にも挑戦します。
もちろんまだまだ臨床力が十分というわけではないですし、もっともっと興味のある臨床分野の見分を深めたいと考えているのでいずれは臨床にも戻るつもりですが、もともと医学研究にも興味があったため敢えてしばらくは臨床の第一線からは距離を置くという選択をしました。
医学研究を通して自身の医師としてさらなる深みを醸成してゆき、ゆくゆくは病に苦しむ子どもたちに還元される成果として得られるよう尽力するつもりです。
小児科医になるという夢を叶えた今だからこそ初志を貫き、『全ては子どもたちの明るい未来のため』と信じ、自分にできることを一つひとつこなし日々精進していく所存です。

医学生や研修医の皆さんに、メッセージをお願いします

医師として求められる役割は臨床・研究だけではありません。
私自身まだまだ若輩ではありますが少しずつ後進の教育についても携わっていければと考えております。
奈良医大にはベテランから中堅、中堅から若手へ脈々と流れる教育の下地があります。
幸いにも当教室には毎年多くの研修医の先生が入局してくれておりますが、小児医療のさらなる充実のためにはまだまだ十分とは言えません。
自分一人ではできないことばかりでも、多くの熱意あるスタッフが集まればいろんな事ができるようになり、よりたくさんの子供たちやご家族を笑顔にすることができます。
全ての子どもたちの明るい未来のため、みなさんと一緒に悩み・成長していけることを楽しみにしています。

平成15年入局 長谷川先生

平成15年入局 長谷川先生

奈良県立医科大学小児科を選んだ理由は?

私は臨床研修制度が始まる前年(2003年)の卒業ですので、大学6年生のときに進む道を決めないといけませんでした。もともと内科系か小児科と漠然とは考えていましたが、具体的な診療科を決めるときにはいろいろ迷いました。ただ、全身を診られるようになりたい、腎疾患の患者さんがもし消化器疾患になっても違う科へ紹介するのではなく自分で対応できるようになりたいという思いがあり、小児科を選びました。生まれも育ちも大阪ですので大阪の病院へ行くことも考えましたが、奈良医大小児科の先生方の温厚なお人柄、同期の人柄に惹かれ、この職場ならがんばれそうと思い入局を決めました。

実際に当科で研修されて、いかがでしたか?

大学小児科・NICUで2年間研修をし、様々な重症患者さんと関わる中で、学術的なことや手技だけでなく患者さんやご両親の思い、医療に関わる社会的な側面等いろんなことを経験できました。マンツーマンで相談できる環境下で指導医の先生にはたくさんのことを教えていただきました。その後関連病院に異動になってからは、病棟担当だけでなく外来も担当するようになり、急性疾患のみならず慢性疾患や成長発達のフォロー等も経験することができましたし、夜間救急では慌ただしい救急対応の中でも丁寧に診察をし、隠れている疾患をいかに見逃さないかということの訓練を積むこともできました。

研修を終えて、現在の道に進まれたきっかけは?

上記の通り、私は全身を診たくて小児科医になったのであまりサブスペシャリティを決めるつもりはありませんでした。しかし、医師7年目の頃に関連病院でたまたま内分泌外来を担当することになったのですが、まあ難しくて・・・。教科書を調べても解決できないことがたくさんあり、このもやもやをとりたい!と専門施設に外来見学へ行かせていただくことになりました。そこから内分泌学の面白さに惹かれ、教授にお願いをして国内留学をさせていただき、医師12年目から大学で内分泌専門として勤務することになりました。「内分泌代謝専門医」も取得することができましたが、まだまだ治療等で迷うこともあり日々勉強だなあと感じています。今は、元々思い描いていた小児科医像とは少し違う位置にいますが、これも大事なご縁、子どもたち1人1人や先生方との出会いの積み重ねで今があると感謝しています。

医学生や研修医の皆さんに、メッセージをお願いします

奈良医大小児科の研修プログラムでは、3年間の中で一般市中病院、大学病院、NICUで研修をしていただきます。一般市中病院ではcommon diseaseの診療を中心に、救急対応を1人でできるようになるよう、そして大学小児科では重症児の診療および各専門領域を専門チームからより深く学べるよう、NICUでは重症新生児の対応をできるようにと、網羅的に研鑽を積むことができます。また小児科専門医取得後サブスペシャリティを勉強したい方は、大学での指導医のもとでの研修や、国内留学も相談次第で可能です。血栓止血領域が当教室の専門ですが、それ以外にも循環器、腎臓・膠原病、神経、血液腫瘍、感染症、内分泌、新生児、それぞれの専門医が診療および指導を行っています。またアレルギー領域も関連病院で専門医が診療していますし、心身症の診療を専門的に行っている施設もあります。幅広く、そしてより専門的にいろんな領域を勉強することができます。
また、女性の先生から「出産しても働けますか?」とよく質問を受けます。もちろん「Yes」です。当教室では、約20-30人の女性医師が子育てをしながら大学および関連病院で勤務しています。仕事と育児の両立はもちろん大変ですが、家族や職場の先生方にサポートしてもらいながら、皆それぞれの職場で自身の役割を果たすべく、そしてキャリアアップも目指してがんばっています。子育てしながらわが子の発育発達を見守ることが、そのまま小児科医としてのキャリアアップにつながりますよ。
最後に・・・小児科の魅力はなんといっても「子どもの成長を一緒に見守ることができる」「全身を診ることができる一方で専門領域を深く勉強することもできる」ことだと思います。子どもたちの生命力はすごいですよ。全国の小児科医がそんな子どもたちから日々癒しとパワーをもらいながら頑張っています。ぜひみなさんにも仲間に加わっていただけるのをお待ちしています!

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