臨床 臨床

デイケア

奈良県立医科大学精神医療センターデイケア「まほろば MAHOROBA」のご案内

「まほろば」という名は、そもそも古語で「素晴らしい場所」を意味します。この言葉に私たちは患者さんらの「回復と自立のための活動を行うデイケア」(Mental Activity Hospital Of Recovery & Ongoing Behavioral Autonomy: MAHOROBA)という想いをこめて命名しました。

奈良医大精神医療センターデイケア「まほろば」とは

  • なかなか外に出かけられず家に引きこもりがちな方
  • 安心できる居場所が欲しい方
  • 人との付き合い方がうまくなりたい方
  • みんなと一緒に何かに取り組んでみたい方
  • 朝は起きて夜は寝てというような規則正しい生活をしていきたい方
  • 就学、就労のために、生活をもう一度立て直して頑張ってみようと考えている方。
  • 退院直後のリハビリ初期にできるだけの可能性を試してみようと思っている方。

こうした方々に対し様々なプログラムを通して、仲間作り、生活リズムの改善と体力向上、就労や就学・自立的生活の準備を促し、社会復帰が達成できるように支援を行うところです。

またデイケアとは、こころの病を持った人たちが毎日の生活を充実していくために日中に通うところでもあります。こころの病を抱えて学校や社会で生活していくには困ることや不安なことはたくさんあり、ひとりで悩み、また家族にも分かってもらえず、どうしていいか分からなくなってしまうことがたくさんあると思います。そうした悩みをお持ちの方に対して当デイケアでは、いろいろと相談させていただいたり支援を行ったりもしています。

1. 特徴

特徴1
40代位までの統合失調症の方を対象としています。将来の仕事や交友関係など、興味や関心が似た方々が多く、仲間同士でのおはなしもできるでしょう。

特徴2
短期通過型のデイケアで、卒業の目安は1年間としています。就労や就学、作業所など、それぞれが目指す次のステップへ自信をもって羽ばたけるよう支援しています。また、復職や復学に向けてのリハビリとして利用していただくこともできます。

特徴3
当デイケアでは、いくつかのプログラムの運営を係活動と称して、メンバーさんに取り組んでいただいています。参加者へのアナウンスや、プログラム運営のための計画・準備を通して、主体的に活動へ取り組んでもらい、社会復帰への足掛かりとすることが目的です。現在は、ミーティング係・調理係・外出係・スポーツ係・映画係・お茶係があり、各係のリーダーさんが活躍されています。

特徴4
家族への支援も行っています。毎月第1水曜の14~16時、家族会を実施しています。病気や薬についての理解を深めたり、当事者さんへの対応の仕方などについて検討しています。

特徴5
作業療法、社会技能訓練(SST)、心理教育などのリハビリテーションプログラムに加え、パソコンソフトを用いた認知機能リハビリテーションの効果研究も行っています。

2. プログラム例

 
1週 午前 調理実習 総合制作活動 SST スポーツ
午後 個別活動
個別活動
2週 午前 調理実習 総合制作活動 SST スポーツ
午後 個別活動
ほっとタイム
3週 午前 映画鑑賞 外出 SST スポーツ
午後 しゃべり場
まほろば
個別活動
4週 午前 調理実習 総合制作活動 SST スポーツ
午後 個別活動
俳画教室

※月によって多少変動することがあります。

プログラムは大きく分けると、
(1)個々で思い思いの作業にとりくむ個別活動
(2)メンバー同士協力しながら行う集団活動
があります。


(1)個別活動
火曜・金曜の午後に行っているほか、フリータイムにも自主的に行ってもらえます。手芸での小物作りや編み物、アイロンビーズや切り絵などの作業があり、好きな作業が選べます。何をしたらいいのかわからないときには、作業療法士が相談にのります。デイケア利用開始まもない方や、対人緊張の高い方、集中力をつけたい方などにおすすめです。

個別活動

(2)集団活動
調理実習
月に2回、月曜日の午前中に行っています。調理係リーダーを中心に、メンバーさん同士で協力しながら料理を作ります。メニューはみんなで相談して決めています。
メニュー例)カレーライス、お好み焼き、肉じゃが等。

月2回のお料理

スポーツ
毎週金曜の午前中に、ラジオ体操やエアロビクスといった準備運動や、集団で行うスポーツを楽しんでいます。スポーツ係リーダーがルールの説明などをしてくれます。
種目例)バドミントン、キックベース、卓球等。

外出プログラム
2カ月に一度、外出行事を行っています。外出係リーダーがスケジュールなどをたて引率してくれます。行き先は主に奈良県下の施設や神社仏閣などです。
行き先例)宇陀アニマルパーク、吉城園、三輪神社等。

SST
日常生活でのそれぞれの課題を検討したり、対人場面でのよりよいコミュニケーションの仕方を練習します。また、症状への自己対処の仕方などを学びます。

心理教育
全5回のシリーズで統合失調症の心理教育を実施しています。
(1)病気の症状と経過
(2)薬の作用
(3)副作用
(4)再発予防
(5)社会資源
という内容で、同じ病気を持つメンバーとともに、自身の病気についての理解を深め、よりよい生活を送るための学びのプログラムです。年に一度、秋~冬頃に実施しています。

総合制作活動
季節に応じたテーマで、みんなで一つの作品を作り上げます。手芸・工作のほか、合唱や合奏などにも取り組んでいます。様々な工程があるので、自分の得意なところやチャレンジしてみたいことに参加できます。

手芸、工作などの作品

しゃべり場まほろば
土日の出来事や、最近のトピックなどについて、ざっくばらんにおしゃべりのできる場です。会話をする機会を持ちたい方や、人前で話せるように自信をつけたい方などにおすすめです。

俳画教室
講師の先生をお迎えして、俳画(墨絵)を教えていただいています。

ほっとタイム
木曜午後の時間です。ゲームや散歩、簡単なお菓子作りなど、参加者でしたいことを決めています。

映画鑑賞
月に一度、デイケアルームにて映画を観ています。観たい映画を募集し、みんなで決めています。映画係リーダーが準備やアナウンスを行ってくれます。

認知機能リハビリテーション
週2回、火・木曜日の15時から17時にコンピュータソフトを用いた認知機能リハビリテーションを行っています。認知機能リハビリテーションを受けた人は記憶力などの認知機能(神経認知機能)の改善のみならず、社会機能も改善するといった研究結果が報告されています。

3. デイケアの流れ

デイケアの流れ

4. ご案内

○スタッフ
医師
看護師
作業療法士
精神保健福祉士
臨床心理士/公認心理師

○開所日
【月・火・木曜日】午前9時~午後3時(6時間ご利用の方に限り、昼食を無料にて提供いたします)
【金曜日】午前9時~12時(ショートケアのみとなります) ※祝日は休所

○費用
各種保険が適用されます。 社会保険、国民健康保険でのご利用は、3割負担です。
自立支援医療をご利用いただく場合には、1割負担で、所得に応じ一か月の支払限度額が設定されます。

○ご利用方法
奈良医大精神科に通院中の方のご利用に限ります。通院中の方は、主治医にご相談ください。

TOPへ