頭頸部外科マスター

担当医師
上村裕和

手術件数の変化

2015年1月に上村が当科頭頸部癌治療部門へ配属となり、手術件数とくに頭頸部癌再建手術数が下図のように増加した。また2014年以前は下咽頭癌および一部の口腔癌に対する再建手術が主に行われていたのみであったが、2015年以降は耳下腺進行癌、頭蓋底腫瘍(鼻副鼻腔腫瘍の頭蓋底浸潤など)、口腔癌、中・下咽頭癌、他施設(大学病院など)での治療不成功例の手術依頼と手術のバリエーションが一気に増加している。

図:頭頸部癌再建手術数の年次変化

2014年以前の再建手術は年間10例以下であったが、2015年以降は明らかに増加した。

手術技量の変化

上村が当科頭頸部癌治療部門へ配属となった時期の前後2群において、手術時間および出血量の比較を行った。手術術式は以下①~③の内容のものに限定し、再建手術の時間を含めると頭頸部外科医の技量の差が不明確となるため、①と②が終了した時点での手術時間および出血量の比較を行った。

A群:2010年から2011年に3人の医師が行った下咽頭癌5例
B群:2015年から現在までに上村が行った下咽頭癌5例
① 下咽頭喉頭全摘出術 ②両側頸部郭清術 ③遊離空腸による食道再建術

A群
症例 手術日 ①+②の所要時間
(時間:分)
①+②の出血量
(ml)
A1 2011/9/27 6:05 442
A2 2010/2/9 6:38 333
A3 2010/4/20 6:00 390
A4 2010/5/11 7:05 500
A5 2010/11/16 5:47 584
平均 6:19 450
B群
症例 手術日 ①+②の所要時間
(時間:分)
①+②の出血量
(ml)
B1 2016/6/28 2:49 124
B2 2017/1/31 3:28 190
B3 2017/3/7 3:37 110
B4 2015/4/30 2:57 123
B5 2015/1/6 5:08 217
平均 3:35 153

優れた頭頸部外科医の育成

現在までの傾向から今後も当科の頭頸部癌手術件数の増加が見込まれるため、高い技術力を身につけた若手頭頸部外科医の育成のための環境整備を並行して行っています。さらに他施設からの手術見学者も増えつつあり、当科独自の教育プログラムを確立していく予定です。

短期見学のみならず、中長期見学も可能です。受け入れ実績として、ベルランド総合病院から1名を助教採用で2017年から2年間、大阪大学から2名を後期研修医採用で2019年から半年間、受け入れています。

頭頸部外科マスター手術枠は、基本的に毎月毎週火曜午前午後に設定されています。手術内容の詳細に関しましては、下記外科マスター手術見学のリンクをご参照の上、メール等でお問い合わせください。

外科マスター 挨拶
外科マスター手術見学